心膜炎についての総説
JAMA 2015; 314: 1498-1506
心膜炎の原因には感染性(細菌、ウイルス)と非感染性(全身性炎症症候群、癌、 心臓外傷後症候群)がある。発展途上国では結核が原因になることが多いが、先進国では原因の5%未満である。先進国では 80-90%が特発性で、ウイルス感染が原因だろうと考えられている。
心膜炎の診断は胸痛、心膜摩擦音、心電図所見、心嚢水の貯留を含む臨床所見に基づく。
38℃以上の発熱、亜急性の経過、大量の心嚢水貯留またはタンポナーデ、NSAIDs 無効は予後不良の予測因子であり、入院を検討するべきである。
北米および欧州においては、特発性あるいはウイルス性の心膜炎はほとんどの場合で NSAIDs で治療される。コルヒチンを併用すると症状緩和に有効で、再発の頻度をおよそ 50%低下させる。NSAIDs およびコルヒチンが無効の場合や禁忌である場合は、第二選択の治療として糖質コルチコイドを投与する。予防的治療を行わない場合は 30%で再発する。
元論文
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2456172