立てば芍薬座れば牡丹踊る姿は薔薇の花?

古希から喜寿へ向かうGrandmotherが、つれづれなるままにシニアライフをつづります。

放射性物質を口や鼻から体内に取り込む内部被曝が怖い

2011-04-07 21:24:15 | 日記
報道では、放射線被曝をX線検査やCT検査と比較して、直ちに健康に被害が出るわけではないといっているが、検査の場合は「外部被曝」。本当に怖いのは、口や鼻から体内に取り込んでしまい、甲状腺や筋肉、骨などに貯まった放射性物質から直接被曝する「内部被曝」である。この量を無視して「安全です」と言い続けるテレビ報道を信じていると、後々苦しむことになるであろう。

http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110407/zsp1104071540005-n1.htm
■日本の「放射線被曝」の報道の仕方に異を唱える

「被曝」には、放射線が身体を通過する場合と、体内の細胞を傷つける場合がある。細胞が傷つけられる確率は、放射線の量が多いほど高くなる。放射線量が1ミリシーベルトであれば、一つの細胞の核に、平均して1本の放射線が通り、30ミリシーベルトならば、平均30本の放射線が通る状態だ。被ばく線量が高くなれば、細胞核のなかのDNAが壊される可能性も高くなり、発ガンのリスクは高くなる。放射線による発ガンリスクにおいては、これ以下であればリスクがないという「しきい値」が見つからないことは、アメリカ科学アカデミーや、国際放射線防護委員会も認めていて、しきい値なし直線モデルで表すことができる。

 しかし、日本の報道では、福島原発事故による放射線被曝をX線検査やCT検査と比較し、心配ないと説明している。X線検査などは、患者にとって、被ばくによるデメリットとよりも、病気の発見、治療方法を決めるメリットのほうが勝る場合に受けるものであり、何のメリットもない原発事故による被曝と比較すること自体がおかしい。

 被曝には、早い時期に症状がでる急性障害のリスクと、何十年か後に病状があらわれる晩発性障害のリスクがあるが、「ただちに健康に影響があるわけではない」という説明は、急性障害だけを問題にしたもので、数年から十数年後かのリスクは無視している。

 通常、原発から距離が離れれば、放射能による被害は少なくなるが、事故で原子炉の中に閉じ込められていた放射性物質が外に出てしまうと、浮遊した放射性物質から放射線がでて、遠く離れた場所でも高い放射線量が記録されることがある。これは、放射性物質が風に乗って遠くまで飛んできたからである。

 被曝には、身体の外側から放射線をあびる「外部被曝」のほかに、放射性物質を口や鼻から体内に取り込んでしまう「内部被曝」がある。放射性物質との距離が近い内部被曝のほうが被曝のリスクは高い。



 放射性物質のひとつ放射性ヨウ素は、甲状腺ガンをひきおこしやすいが、あらかじめ安定ヨウ素剤を服用すればリスクを少なくすることができる。日本では処方箋がないと薬局で購入できないが、フランスやドイツでは、安価で副作用のない薬剤として、原発から5キロ以内の家庭に配布されている。WHOでは「子供の場合年間10ミリシーベルト、大人は年間50~100ミリシーベルトの被曝が予想される際に、ヨウ素剤を服用する」としているが、日本では一律に年間100ミリシーベルトからとされている。原子力安全委員会は妊婦は胎児のため服用したほうがいいが、そうでなければ40歳以上の摂取は不要だとしている。

 被曝を避けるためには、危険を感じたら避難するなり、外出を控えるなりするしかない。屋内では、窓を閉め外の空気を室内に入れないようにし、洗濯は室内干しにする。外出時は肌を隠しマスクをつけ、帰宅後はシャワーを浴びる。雨が降りそうな日は、傘を持って出かけること。放射性物質が雨と一緒に降ることもあるので濡れないようにすることも大切だ。

■崎山比早子 元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士、現NGO「高木学校」


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