リオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選女子大会第6日(5月21日、東京体育館)、日本(世界ランキング5位)はイタリア(同8位)にフルセットで敗れましたが、2セットを奪ったことで勝ち点を1増やし、4位以内を確定しました。これで4大会連続で五輪出場権を獲得したことになります。また、この試合、31得点と奮闘した主将の木村沙織選手(29)は、6人制バレーボール女子選手として、史上初の4大会連続出場を決めました。今日、22日の予選最終日に、日本はオランダ(同14位)と対戦します。是非、この試合に勝ち、いい気持ちでリオに行ってもらいたいものです。
いや~、昨日の木村選手のプレーは神がかっていましたね。相手の高いブロックを打ち抜いたり、巧打でかわしたり…。真鍋政義監督(52)が、「背中から炎が出ている感じだった」というのも、うなずけますよね。
2013年、真鍋監督は、リオ五輪へ向けて、木村選手に主将就任を求めました。当時木村選手がリーグに所属していたトルコへ渡り、直々に要請しましたが、木村選手は「キャプテン向きの性格じゃない」と断ったそうです。木村選手は、バレー人生で、主将経験がありませんでした。ロンドン五輪の銅メダルで引退を考えるなど、半ば「燃え尽き症候群」の状態でした。でも、真鍋監督はあきらめませんでした。「お前以外におらんのや」。そして、木村選手は、帰国後もメールで送り続けられる口説き文句に心が少しずつ傾き、ついに承諾を決心しました。
木村選手は、主将としてチームの和を考えて行動してきました。しかし、最後は「プレーでみんなを引っ張る」という五輪への強い思いだけでした。17日の韓国戦で、木村選手は右手小指を脱臼しました。真鍋監督は翌日のタイ戦で木村選手を起用しない方針でしたが、木村選手は出場を直訴。痛み止めを飲んで第2セットからコートに立ち、勝利を引き寄せました。
昨日も、木村選手は、その思いをコートで表現。ロンドン五輪主将の荒木絵里香選手も最敬礼する活躍でした。「ここ一番で、頼もしい、沙織らしいプレーを出し切って引っ張ってくれた」と言われていました。
木村選手は、「この大会を通して、弱さ、もろさをみんなが感じている。反省したい」と語りました。「負け決まり」となった悔しさは本番で! 29歳の目は、もうリオに向かっています。