風は南から

スペインと花と音楽とそれから写真と俳句

寒茜

2018-01-22 11:27:41 | 写真俳句

  終業のサイレン高く寒茜

特にどうってことないのに忘れられない景色があります。

薄い夕焼けが広がって 沈む太陽のとこだけ赤い 冬の夕焼け

仕事が終わる時間なのに 書類を持って作業場に行って 急いで戻るとき

二階の外階段で ふと振り向いたときの 夕焼け

あのころの広島は まだ高い建物が少なくて ぐるりと見渡せた

ほとんど目の高さにあった夕焼け  

沢山の夕焼けを見てきたけど なぜかあの夕焼けだけ 

どんな景色だったかはっきり思い出せないほど遠い日だけど 

あの夕焼けを見ていた時の自分の気持ちだけは思い出せる 

社会人一年目で 仕事の事人間関係のこと いろいろあった時なので

あの冬の夕焼けが優しく見えたのだろう。

1月19日 17:14