「ジオラマで未来都市を作ろう」という子ども為のイベントを開催しました。ジオラマを作る。という事が課題でしたが、格好よく「未来都市」と銘打ったことで、私には重い課題が浮かび上がってきました。どのように進行するか?
未来を考えるとき、対比として過去がある。今がある。
「過去」を色々探していると「大阪大空襲」の写真が出てきました。米軍機が爆撃直後に撮影した、大阪市南海電鉄難波駅周辺です。大きなビルが残るだけの焼け野原。私が子どものころ過ごした周辺です。衝撃的でした。ウクライナの現状をテレビで見ていた子どもたちですが、日本も昔は戦争をし、もっとひどい状態だった。そして対戦相手はアメリカ。と、映像を見せた子どもたちの反応は
「えーっ!アメリカってお友達じゃないの?」
でした。私も正確には戦争は知らない。戦後しばらくして疎開先から大阪に帰ってきた私にも、焼け野原を再建されていく様は子どもの私にも分かりました。今思えば、まさにその体験は私にとって、
「未来が作られていく事、そのもの」でした。
未来はどのようになるのか?粘土や発泡スチロールなどで作る子どもたちの夢いっぱいの未来都市。ウクライナ事件は子どもたちのすぐ隣にあるのだろうか。「未来都市」簡単に言葉にできますが、子どもたちに課題として出した時に、その重さをずっしり感じました。
平和の続く日本の今の子どもたちには明るい未来都市しか見えません。楽しい作品が出来上がりました。 彼らにいつまでも明るい未来が続きますように。と、心から願いました。
船本礼子
ゴッホの作品を見て、「この絵って上手なん?」という問いかけから始まったもう一つの企画。
「上手な絵とは?」を子どもたちと一緒に考えたいと思い、ピカソの「ハンカチを持って泣く女」を模写するイベントをします。
ずっとずっと昔、「あんな変な絵を描く人の絵を見ておこうか。」と、偉そうなことを言い、友達3人でピカソのゲルニカ展を見に、京都美術館へ行きました。帰りは、無言で高い作品集を買って帰りました。偉そうなことを言ったお詫びの気持ちだったのでしょう。
「ハンカチを持って泣く女」は、ゲルニカの中の習作の様ですが、泣く女の習作群を見ると、ピカソの努力や考えがよく分かります。同じモチーフが、何枚も何枚も変化していくのです。
この絵の成り立ちを子どもたちに見せたい!
しかしこの企画、「あんな変な絵を模写する?」って、思うだろうなぁ。人数が集まるかどうか心配。当日は興味深々の子どもたちが15名集まりました。面白かったと子ども感想、何かを感じ取ったようでした。
(子どもゆめ基金事業)
子どもの居場所ヒーロー研究室に、ゴッホの「星月夜」とダビンチの「最後の晩餐」の大きなパネルが壁に掛かっています。最後の晩餐は、イエスの額から放射状に線が入っています。「なぜ線が引いてあるのか?」
と、子ども達から時々質問があります。
「この線は、遠近法を表している。」から説明。
真ん中の人は誰か?(イエスを知らない子が多い)
この絵には何人いるか?クイズのように導入します。
ある時ゴッホの絵を見て、
「この絵は上手なん?」と聞く子がいました。
私は、一瞬言葉に詰まり、「そうやねぇ。あなたの上手な絵ってどんな絵?写真みたいな絵?」
…無言。
「…ねぇ、この絵って、独特と思わない?」
「そうやなぁ」
「この人の違う絵を見てもきっと解かると思うよ。」
で終わりました。
後で、ゴッホの全集を見せればよかった。と後悔しました。
子どもたちの色々な反応が面白く、
「名画のパネルをいっぱい持って小学校を回ろう!」
と、思いついたのが移動美術館。