Set me free!!!

storytellerです。本当に短い物語を書いたり、思い出話や日常の諸々について綴ります。

旅先で迷い込んだ街

2024-10-07 08:11:50 | 思い出

わたしの特技は道に迷うことである。地図を見ながら歩いていても、いつの間にか違う方向に進んでいたりする。我ながら凄いと思う 笑。幸い今はネットの経路案内が使えるので、めったに迷うことはなくなったが。

そんなわたしの究極の迷子事件。初の海外一人旅をした台湾(1983年の夏)での出来事である。

台北のロイヤルホテル(皇家飯店)に宿泊し、憧れの国立故宮博物院へ出かけた。乗るべき路線バスの番号はホテルのフロントに教えてもらったので、なんのトラブルもなく博物院に着く。しかし、なぜにバスの運転手はこんなに運転が乱暴なのだろう!はらはらどきどきの連続、よく事故を起こさないものだと驚嘆した。

博物院の展示物はどれも素晴らしく、一つ一つじっくり鑑賞しているうちに昼過ぎになり、おなかがすいたので博物院内のレストランで昼食をとる。そしてまた続きを鑑賞して、さすがにぐったりしてきたので帰ることにしたのは午後3時頃だったかと思う。

帰りも同じ番号のバスに乗ればいいので(反対方向の)、それに飛び乗る。またしても乱暴な運転のバスに当たってしまった!揺れる揺れる、急停車も当たり前。もしかしたら、台湾のバスはみんなこんな感じなのかもしれない、と諦めることにした。

宿泊先のロイヤルホテルは台北市の中心部あたりなので、賑やかなところに来たら降りようと思っていた。わたしはいつもこんな感じである。地図上の目標物をしっかり頭に入れておかないのだ。それが道に迷う原因でもある。

↓の地図はネットで見つけたものなので、旅をした当時(1983年)とは異なっている。あの頃は地下鉄はなかった。黄色い★印がホテルの場所である。

あまりにも乱暴な運転に動揺して、外の景色を楽しむ余裕をなくしたせいもあり、いつのまにか中心部を通り過ぎてしまったようだ。いかにも郊外といった雰囲気のところをバスは走っている。困った。バスを降りて引き返さなくては。

ということで、降りたところは、古い公団住宅のような建物が並ぶ街であった。殺風景な街というのが第一印象だ。なんとなく寂しげで活気が感じられない。夏の昼下がりで不快に暑く、歩いている人もほとんどいない。そうか、この日は平日だからこの時間帯は働く人は職場にいるし、学校は夏休みの時期だ。

そんなことをぼんやり考えながら、せっかくここで降りたのだからちょっと歩いてみることにした。日本の公団住宅とよく似ているが、違うのは玄関に貼られた赤い紙。何か文字が書いてある。旧正月には「春聯」と呼ばれる文字が書かれた赤い紙を玄関に貼って、家に幸福や金運を呼び込む、ということは聞いていたが、真夏でも貼ってあるというのは、次の旧正月までずっとそのままにしておくのだろうか。

無事ホテルに戻って事の顛末をフロントに話したところ、そこは永和区と言う街だと分かった(↑の地図の一番下、ピンクのマーカーでハイライトしたところ)。

今でも永和区の街並みを思い浮かべることができる。道に迷って不安になるはずなのに、なぜかわたしは落ち着いていた。というよりむしろ、ぞくぞくするような興奮を覚えていた。そして、あてもなく街中を歩きながら、ここに住んでもいいかもしれない、とまで思ったのだった。

韓国のソウルを旅したときに(このときは親友との二人旅だった)、やはり観光地から外れたところを歩いて、狭い階段の両脇に建ち並ぶ古い家並みを目にしたときも、そんなふうに感じたのを覚えている。この街に住んでみるのも面白いかもしれない、と。

こういう感覚って、きっと旅好きの人なら分かってもらえるだろう。

また旅に出たくなった。どこかへ行きたい!



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (fairy333)
2024-10-07 09:27:25
storytellerさん

おはようございます
海外で一人きりで道に迷ったら!
わ〜、考えただけで足がすくみそうだわ。
それなのに、storytellerさんは「ゾクゾクするような興奮を覚えた」とは!
やっぱり、そのくらいの度胸がなければ海外に長く住めないですね。

女は度胸と愛嬌 !!

この二つを持ってるstorytellerさん.あなたは本当の旅好きさんですね。

私は海が見える家並みを見ると、こんな所に住んでみたいな〜と思います。
とくに夕陽が観える所だったら最高。
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Unknown (ピエリナ)
2024-10-07 09:48:09
おはようございます🤗

わかる。
わかる〜❣️
私は今度こそ実際に住んでみたいと思っていますが、実現するかどうか。

それよりもまず私は一人での海外の旅をしたことがないので、それをしてみたいです。
憧れますわ〜💕

あちらでもこちらでも言語聴覚士さんにお世話になっています。
退院したらクリニックの方から定期的に言語聴覚士さんが来てくださる予定です。

コメントをありがとうございました。
今、ペインクリニックに居るので帰ってからゆっくり返信させて頂きますね。
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Unknown (xxkaminosizukuxx)
2024-10-07 10:18:52
おはようございます😊

あの〜永和区からホテルまでの足どりが解んないんですが
まさか連れ去られてホテルの前で飛び降りたとか

🚙三⌒\( 'ω')/とぉー
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Unknown (keiko(けいこ))
2024-10-07 11:19:11
私 方向音痴です。家族も周りにも認められてます(笑)

海外は行き帰りの一人はありましたが 一人旅はないです。

バスは韓国の方が荒かったような。
ずっと掴まってました(^_^;)
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Unknown (ally)
2024-10-07 11:37:29
こんにちは。

わかります。この街に住んでもいいかもなぁ、住んでみたいなぁと思う気持ち。私の場合は意外と貧しい地域の街に思うことが多い気がします。だから実際に住むとなったら抵抗があるはずなんですけどね。

旅先で道に迷って歩く。なんか冒険家になったみたいで楽しそうですね!旅先だからこその楽しさでしょうか♪
私は今の滞在先で彷徨い歩いたことがあります。スマホのナビが教えてくれる道がどこもかしこも「けもの道」で立ち往生しました。今となっては笑い話ですが、あの時は疲れただけで楽しくなかったなぁ(笑)

スマホなしでホテルに辿り着いたのですから、方向音痴ではないですよー。真の方向音痴なら逆方向に歩いていっちゃうはずです。(^。^)
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度胸 (storyteller)
2024-10-07 12:21:54
fairyさんへ

こんにちは。
fairy姫はみんなに大切にされ、守られているのだから、
度胸は要らないのですよ。
わたしは誰からも「守ってあげたい」と思われないので、
仕方なく度胸を身に付けました 苦笑。
度胸というより、若い頃は「無謀」「無茶」「無鉄砲」
という評価が多かった気がする。

海が見える街並み、いいですね~。
ここは海なし県なので出来ぬ相談ですが。
いつかquiet hillsの海沿いの街に住んでみようかな。

コメントありがとうございました♪
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一人旅 (storyteller)
2024-10-07 12:26:02
ピエリナ さんへ

こんにちは。
岡山と牛窓の両方にお家があるピエリナさん、
とても素敵な暮らし方だと思います♪
牛窓の風景は本当にきれいですね。

一人旅、おすすめですよ~。思い切り自由を満喫できます。

言語聴覚士さんとのリハビリがうまくいきますように!
気になることがあったらいつでもご相談くださいね。
わたしの力の及ぶ範囲でお役に立ちたいです。

コメントありがとうございました♪
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どきっ (storyteller)
2024-10-07 12:30:46
xxkaminosizukuxx さんへ

鋭いご指摘に、どきっ、はっ。ははは。
わたしの記憶はところどころ黒で塗りつぶされた箇所があるので、
永和区からホテルまでの道のりの部分も黒塗り状態です。
たぶん、ちゃんと正しいバスに乗って帰れたと信じたいです 苦笑。

コメントありがとうございました♪
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お仲間 (storyteller)
2024-10-07 12:34:03
keiko(けいこ) さんへ

こんにちは。旅の達人keikoさんも方向音痴なのですか!?!?
意外ですが、お仲間で嬉しいです 笑。
韓国もバスの運転荒っぽかったですね。
おまけにバス停はハングル文字のみで(当時は英語の表記はどこにも無く)、
本当にこのバスでいいのか不安でした。
運転手さんにしつこく尋ねたのを覚えています。

コメントありがとうございました♪
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Unknown (storyteller)
2024-10-07 12:38:54
ally さんへ

こんにちは。allyさんとはこの感覚分かち合えると思ってました 笑。
わたしも洗練された大都会より素朴な田舎の町や村に住んでみたい、と
思うことが多いかも。
タイには是が非でも住んでみたかったのですが、
言葉が分からないし文字が読めないのは不安なので、
諦めました。今更タイ語勉強する気にならないし・・・。

永和区からホテルまでは、オトシガミさんへのコメントにも書いたように
おそらく正しいバス(同じ番号の反対方向)に
乗って帰ったんだと思います。記憶があいまいですが 汗。

コメントありがとうございました♪
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