血内（１５）

体重７８，８Ｋｇ、ＲＢＣ３８２、Ｈｔ３５，２、ＷＢＣ１１２０、ノイトロ打たずに帰っとたら、今頃４０度の熱にうなされとるころじゃろうなぁ。
ナースステーションの隣に、処置室があるんじゃけど、この前を通る度に、ほろ苦い思い出が頭をよぎるんよなぁ～。骨髄穿刺（マルク）・・・なんとも恐ろしそうな・・こんな漢字が世の中にあってもええんかい　　あんときはそう、真剣に思ったもんじゃぁ。大体、生身の体にふっとぃ針を刺して、骨をドリルで削って、中から髄液を抜き取るんでぇ、それも、局所麻酔だけで、意識はっきりしとるんでぇ。人間のする検査じゃないな！一生懸命ネットで調べまくったけど、調べるだけ不安になるばあで、一つも安心できりゃあせん。そうなりゃあ、後、残っとる、ては、先生にお願いするしかあっりゃあせまぁ。「何とか、他のやわらかい、聞こえのええ、楽な検査がないんですか？　やっぱり、痛いんでしょう？」　　「大丈夫、麻酔しますから・・」　　あったりまえじゃぁ。無麻酔でやられたら、それこそ、絶対に死ぬわ！！
「皆さん、よくこんな検査受けられましたねぇ。　痛がらなっかたですか？」
「大丈夫ですって、痛かったら麻酔、追加しますし、ただ、髄液抜く時ちょっと・・・」　　　ちょっと、ちょっとなに～いい
「液圧が、下がって、頭が痛くなる方が中にはおられます」　あぁっ、もう聞かん！！もう、調べん！！泣き言をゆうても、許してくれんことが分かったから、覚悟を決めて、やってもろうたんじゃ。結局、おち、は、痛くも、痒くもなかったんじゃけど、ビビリまくっとた事を、思い出して懐かしい気持ちでその前を通っています。