また こんな時間に起きている
それでも5時間は寝た
開発しなければならない木工製品は
見切り発進したまま ろくな物が出来ない状態になっている。
サンプルで持ってこられた中国製の合板トレイは
安くて機能的で使いやすく、軽いし重ねても場所を取らない。
これを上回る製品を、どうして作りえようか?
私には、とても無理な話である。
個性的な物を作れと言われれば出来るだろう。
しかし、実用品を作れと言われれば
既存品より遙かに落ちる品質と高い値段でしか出来ない環境だ。
「出来る」という安請け合いは、自分達の無力さを露呈させるような物。
それでも私たちが作る価値があるとすれば
最低でも一ヶ月の猶予は欲しい。
今回引き受けた製品は、店舗で使われることになるが
不格好で高い、失敗作になるだろう。
今日は木工をやっているが
自動カンナ作業で材の最後の部分が斜めに削れてしまう。
いわゆる「鼻落ち」という奴なんだが
同じ幅の材を続けて入れても少しでもズレるとバッサリ落ちてしまい
ロスが多い。というか必要な大きさを確保できない。
小型の自動カンナでは どうしても起こってしまう物なのか?
買ったばかりの時は これほど酷くなかったのだが・・・
台風の時に雨に打たれたせいだろうか?
とにかく困った。
施設の製品でコンニャクイモの皿を作る事になったので
コンニャクイモのテンプレートを作った。
出来上がれば、まあまあコンニャクイモに見えると思う。
月曜日に製品として作ってみよう。
昨日はトリマーのキックバックで
野菜のテンプレートを傷付けてしまった。
トリマーは便利だが慣れてきて刃を多く出し過ぎると
キックバックをくらう。
それを見込んでしっかりとホールドしているが
いったん暴れたらテンプレートは傷つきやすい。
施設の木工職人曰く
「トリマーは怖い、ルーターテーブルを使い、製品とテンプレートを
トグルクランプで挟んで加工するのでなければ危険なので作業しない。」
だそうだが、その条件でもテーブルから高速回転しているビットが
剥き出しになっている事態、大変危険な物である。
木工の機械や道具は危険な物が多いが
それを承知で怪我しないように扱うからこその道具である。
嫌なら手で削ればいい。その需要が有ればだが。
私は技術的に逃げるのが嫌だ
あれこれ理由を付けて加工できないというのは逃げているだけだ。
施設では 焼いた木の製品作りをしている。
本に載っている焼いた木の製品を観て
焼いた後に水洗いしなければ出せない風合いだと思い
その工法を提案したが
「焼いただけで曲がるのに水なんてとんでもない」という答え。
施設で木工を専門にやっている方の言い分だ。
はたしてそうだろうか?
影響が出やすい薄い杉板でやってみた。
確かに焼くと曲がる。水に浸しても曲がる。
だが焼きで曲がるのは縮んで木目に沿って曲がり
水に浸すと膨張により木目に沿って曲がる。
つまり反り方は焼きと浸水で逆なのだ。
試しに焼いてからブラシで炭を落とし
汚れが付かないように水洗いした物を半日ほど
木の万力で挟んでおいたら真っ直ぐになった。
なんだ簡単な事だ
知らないとか知ろうとしない事は恐ろしい物だ。
やってみればすぐに解る事なのに。
ちなみに、火の加減も
施設でやっているのとは違い
バーナーで垂直に一気に焼いて処理したら
風合いもグッと良くなり、自分の作品にも使いたい雰囲気を感じた。
真っ直ぐになった焼き板を
中国から取り寄せた「台所用ナイロンクロス」でサンダーがけしたら
さらにピカピカで良い風合いになった。
焼きは面白い。