「大発明だ!」シュタークスミス博士は叫んだ。「これで、静けさは保証されたぞ!」
博士の発明したものは、自分の周囲一メートルの雑音を消してしまう装置だった。手の平サイズの薄くて小型のものだった。
「最近は騒音だらけだ。どこへ行っても何らかの音がしている。じっくりと落ち着いて考えをまとめる事もままならない」博士は窓の外を見る。「車の音、話す声、ペットの鳴く声、良く分からない機械の音…… うんざりだな」
博士はそう言うと、装置のスイッチを入れてシャツの胸ポケットに入れた。あちこちから聞こえていた音がぴたりと消えた。
「うむ、素晴らしい。これで発明に集中できるぞ」博士は満足そうにうなずく。「では、さっそく発明に励もう」
しばらくすると、博士はいらいらし始め、設計図を描いていたペンを机の上に放り出した。
「なんだなんだ? 静かになったはずなのに、なぜ音がするんだ? さっきまで聞こえていたカリカリとか、今も鳴っているドクドクとかスウハアスウハアとか……」
博士は周囲を見回す。そんな音を立てるものは見当たらない。
「まさか……」ふと気が付いた博士は自分の胸に手を当てた。「ドクドクはこれか…… 鼓動だ…… スウハアスウハアは呼吸か……」
机の上のペンを紙の上に走らせる。カリカリと音を立てている。
「自分も音を立てているんだな…… 周りを制御しても限界があるのか……」
博士はがっかりして装置を止めた。
博士の発明したものは、自分の周囲一メートルの雑音を消してしまう装置だった。手の平サイズの薄くて小型のものだった。
「最近は騒音だらけだ。どこへ行っても何らかの音がしている。じっくりと落ち着いて考えをまとめる事もままならない」博士は窓の外を見る。「車の音、話す声、ペットの鳴く声、良く分からない機械の音…… うんざりだな」
博士はそう言うと、装置のスイッチを入れてシャツの胸ポケットに入れた。あちこちから聞こえていた音がぴたりと消えた。
「うむ、素晴らしい。これで発明に集中できるぞ」博士は満足そうにうなずく。「では、さっそく発明に励もう」
しばらくすると、博士はいらいらし始め、設計図を描いていたペンを机の上に放り出した。
「なんだなんだ? 静かになったはずなのに、なぜ音がするんだ? さっきまで聞こえていたカリカリとか、今も鳴っているドクドクとかスウハアスウハアとか……」
博士は周囲を見回す。そんな音を立てるものは見当たらない。
「まさか……」ふと気が付いた博士は自分の胸に手を当てた。「ドクドクはこれか…… 鼓動だ…… スウハアスウハアは呼吸か……」
机の上のペンを紙の上に走らせる。カリカリと音を立てている。
「自分も音を立てているんだな…… 周りを制御しても限界があるのか……」
博士はがっかりして装置を止めた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます