お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

小噺『バレンタイン・デー』

2010年02月14日 | Weblog
「こんな手の平サイズじゃ、義理チョコってヤツだな・・・」
「俺なんか、ものすごく大きなチョコをもらったけど、義理チョコだったよ」
「どうしてそう思うんだい? 大きなチョコなのに」
「だって、向こうが透けて見えるくらい薄っぺらだったんだぜ・・・」


「おい、お前は幾つチョコもらった? 俺は二十個だ」
「まあ、一個ってところかなあ・・・」
「なんだい、情けないな」
「でも、その一個って、彼女が全身にチョコ塗って、僕の前に立ってくれたものなんだ」


「ねえ、どうしてチョコもらってくれないのよ!」
「だって、奥方様は、白雪姫のお母様ですから・・・」


「あら不思議だわ。どう数え直しても、チョコが一枚余っちゃうわ」
「夫であるボクを勘定に入れているかい・・・」


「バレンタインって、女が告白してもいい日なのよねえ・・・」
「そうだけど・・・」
「私の愛を受け取ってもらうわよ、ふふふ・・・」
「だからって、監禁までする事は無いじゃないかあ!」


「これ、友チョコ? こんな大きなチョコレート・バーだけど・・・」
「いえ、本命チョコよ・・・」
「まあ! じゃあ今晩食べてみるわね、下の口で・・・ うふふ・・・」


「はい、今流行りの逆チョコだよ」
「あらあ・・・ わたし、チョコよりバナナがいいわあ・・・」


「はい、チョコよ」
「え? 十個もくれるのかい!」
「ええ。あなた、とっても上手だったから、十点満点よ」


「この頃って、彼、ワクワクしてるわね」
「だって、歯医者さんですもの」


「どうだった? からだじゅうに粒チョコを隠して見つけさせるって言うゲーム」
「負けちゃったわ」
「最後の一個は絶対見つけられ無い場所に隠すように言ったじゃないの」
「そうなんだけど、まさか彼があんな処を舐めるのが好きだったなんて思わなかったわ・・・」
「最後のチョコ、どこに隠したのよ?」
「鼻の穴よ」




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