番外編 ジェシル・アンの日々

「ジェシル、君にクレームが殺到している」
「どうしてですか、トールメン部長？　わたしは宇宙の秩序と平和のために日々励んでいるんですけど？」
「いや、シンジケートからのクレームだよ。もっとお手柔らかにやってくれないかとな……」


「カルース、昨日は夕食のお誘い断っちゃってごめんなさい。今日なら行けるわよ」
「いや、もう良いんだ！」
「何よ、断られて喜ぶなんて、失礼ね！」
「実は昨日行く予定だった店のオーナーと賭けをしたんだ。連れて行けなかったら、ぼくの勝ちだったのさ。それで満足なのでね」


「ねえ、ドクター・ジェレマイア。また新しい武器を作ってくれないかしら？」
「ジェシルよう！　もう散々作ってやったじゃねぇか！　欲張りも大概にしやがれってんだ！」
「でも、今度お願いするのは、相手を完全消滅させて、足が付かないって武器なんだけど……」
「そんなもの、何に使うんだ？」
「トールメン部長によ……」
「そうかい、じゃあ待ってな！　すぐに作っちまうからよう！」


「ジェシル、地球に行ってくれないか？」
「極秘任務なんですか、ビョンドル長官？」
「……実は、君の着ているフリソデが気に入ってな……」
「あれは未婚の女性が着るそうですけど？」
「そうなのか？　じゃあ、主人と別れて来るよ」