今回はブルックフォンテン卿からの依頼だった。
「今回の依頼は、ちょっと大変だね」
私は、卿の立ち去って行く後ろ姿を、窓から見下ろしながら呟いた。
「弱音を吐くなよ、ワトソン」ホームズは座っている安楽椅子を揺らしながら言った。「卿はイギリス屈指の大金持ちだ。うんとサービスするさ」
「じゃ、一つ、連続殺人事件にブルックフォンテン卿が巻き込まれ、ホームズと共に大冒険の末、解決の糸口を掴むって言う話にしよう」
「糸口を掴むだけじゃ、安くなってしまうな」ホームズはウィンクして見せた。「真犯人と大格闘の末、卿自らが真犯人を捕まえるんだ。これなら、高く買ってもらえるさ」
「長い話になりそうだな」
「それは結構。より高く売れるってものさ」
「それじゃ」私はいたずらっぽく笑った。「いつもの『この事件は真実なり』の君の御墨付きの印刷物を、今回は手書きにでもしようかね」
「それは良いアイディアだ!」ホームズも笑った。「益々高く買ってくれるだろうね!」
私たちは、金持ちや貴族達から、自分を主人公にしたホームズ物の話を作るよう、依頼される事がままある。ホームズと共演できるし、仲間にも自慢できるしで、良い商売になっている。
考えても見て欲しい。そうそう事件の依頼がある訳が無いのだ。私たちも生活をして行かねばならないのだ。
いつも熱い拍手、感謝しておりまするぅ
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「長い話になりそうだな」
「それは結構。より高く売れるってものさ」
「それじゃ」私はいたずらっぽく笑った。「いつもの『この事件は真実なり』の君の御墨付きの印刷物を、今回は手書きにでもしようかね」
「それは良いアイディアだ!」ホームズも笑った。「益々高く買ってくれるだろうね!」
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