「みかさのやまに いでしつきかも」
天の原(あまのはら)
ふりさけ見れば
春日(かすが)なる
三笠の山に
出でし月かも
(安倍仲麿。百人一首の7番目の歌)
〔意味〕
広い大空を仰ぎ見ると、今見えるこの月は、かつて春日の三笠山に出た月と同じなんだなあ。
瑞沢高校の部員達が、外国人だけの千葉情報国際高校の、素人っぽいけれど型にはまらない自由な かるた に戸惑いつつも、競技かるた を始めたばかりの頃の自分達、単に かるた が楽しくて好きだというだけだった頃の自分達、を思い出して、かつての自分達を見ているようだと思って、かるた が好きという初心を忘れずに、自分達の かるた により真摯に向き合う話でした。
○ 外国人だけど日本で生まれ育ったらしく、英語よりも日本語の方が上手いのに相手にプレッシャーをかけるために英語で話すとか、今回は少し息抜きの話という感じ。
英語がぎこちないことに気付いて英語でそれを指摘するとか、相変わらず太一は出来る子です。
瑞沢高校も少し落ち着き、でも外国人に慣れていないから緊張するのは高校生ならではなのでしょうけれど。
○ しかし、始まると、相手の素人っぽい自由な かるた に混乱させられるとか、そこは高校生、まだまだ経験不足ということなのでしょう。
ここで、西田が一声かけて少し落ち着き、しばらくして千早が一声かけて平常心を取り戻していつもの本当の競技かるた を見せる端沢高校。
都大会で自分の戦いに集中することにしてからはそういうことも減りましたが、これまでなら、こういうときに声をかけるのは太一の役目だったのですが。
英語で相手に話しかけたり、全国大会では元のように部長らしくなったのかと思ったのですが。
西田と千早の出番を設けたいという制作者側の都合かなとも思いましたが、太一にばかり負担をかけられないということも含めてそれぞれが成長したと解すれば良いのでしょうか?。
ただ、西田はそれでも問題ないとして、結果として太一の成長よりも千早の成長の方が早く見えてしまい、千早の成長の方が早いとされると、これまでの千早の成長の過程の描き方は不十分に思います。
つまり、千早は単に勝ちたいからという天然でそう言っただけで、成長したわけではない、と解した方がよいのでは、と。
○ 千葉情報国際高校も本当の競技かるた を味わって、より かるた が好きになって、より勝ちたいと思って、好きだからやってきた かるた だけど日本人のクラスメイトから引かれて自信も少し失いかけていた かるた を自信を持ってやれるようになったとか、なんか、いい話、という感じ。
○ 最後のシーン。階段を昇る新の後ろから忍び寄り、肩に手をかける、詩暢。音楽も少し不気味。詩暢の表情も、木の葉の影が顔にかかっている具合がそう見せている部分もあるのでしょう、カタキを見つけたという感じ。ちょっとホラー。
次回は、詩暢が妙な笑顔を浮かべて、それはそれで怖いだろ、ということにでもなるのでしょうか?。
【shin】
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