村下孝蔵「初恋」。「はつこい」と題された歌でこれ以上の名曲があるのだろうか

◎　村下孝蔵「初恋」。
　「はつこい」と題された歌でこれ以上の名曲があるのだろうか、いやない。といった感じの、せつなく、青臭い、思春期の初恋を歌った名曲です。

(1983年。→歌詞サーチへのリンク。)

　村下孝蔵(1999年死去。享年46歳。)さんの一番のヒット曲であり、一番の名曲です。

「放課後の校庭を　走る　君がいた
　遠くで僕は　いつでも
　君をさがしてた
　浅い夢だから　胸を離れない」


　ただ、気になっているのが2点。


○　1つめは、イントロから歌い出しまでが短いこと。

　音楽として考えればもう少しあっても良いと思いますが、思春期や若者はせっかちだから、その短さが若者らしさを表していて、雰囲気が合っているのでしょう。


○　2つめは、1番の歌い出しの「五月雨は　緑色」。2番の歌い出しの「夕映えは　あんず色」の叙情性と比べると、もう一工夫できなかったものかと。

　「あんず色」と比べて「緑色」に工夫が足りない気が(因みに、「緑色」の次に続く歌詞は「寂しくさせたよ　一人の午後は」)。
　「若葉色」「青葉色」「憂い色(うれいいろ)」「深緑」あたりだと少し工夫した感じに思います。後の2つだと「寂しく」に上手く続くと思います。

　ただ、この歌は思春期の不器用で青臭い初恋、戸惑いと憧れとを切なく歌ったものですから、それらだとかなり直接的で気恥ずかしい感じもあります。
　また、「色」で韻を踏みたいのでしょうし。


　と考えると他の言葉も思い付かないので、結局は「緑色」が無難なのかなと思います。


◎　2013年7月にベストアルバム「ベスト・セレクト・ソングズ　ゴールデン☆ベスト」(→HMVへのリンク。)が出ましたので、良かったらどうぞ。

　なお、2014年6月にBLU-SPEC CD 2「歌人撰集」が出るようですが、収録曲は？


【shin】