2024/11/04 mon
前回の章
帰り際、盛り塩をして下さいと言われ、俺たちは川越へ向かう。
「百合子、体調は大丈夫なの?」
「うん、もう大丈夫よ」
それなら盛り塩はわざわざやらなくていいか……。
高崎市に行き不思議な経験をした俺は、次の日に目が覚めたら夕方の五時だった。
完全に仕事、大遅刻だ。
おかしい……。
昨日は夜の十二時頃には自然と寝てしまった。
それが何故こんな時間まで目を覚まさなかったのだ?
十七時間はぶっ通しで寝てた事になる。
単に俺が弛んでいるだけなのだろうか……。
群馬の先生のところから帰って、俺は仕事をしていてもどこか上の空だった。
ガールズコレクションの當真の件なら百合子に愚痴った事があるので、事前に群馬の先生へ予備知識として伝えていたら分かる。
しかしメロンの北中の事は、百合子と知り合う前で話をした事が無いのだ。
北中という具体名は言っていないにしろ、髪の毛を引っ張ったと言う黒縁メガネの不潔そうな男は、外見そのものである。
執筆記録の意味合いで始めたインターネットの『新宿の部屋』。
俺は先日の群馬の一件を記事として書いてみた。
あれは俺にとって何とも言えない不思議な一日だったのだ。
名残り惜しいのが、俺と竜君の左肘が煤けた心霊写真である。
画像データも写真もすべて無くなってしまった。
冷静に考えたら、一枚くらい残しておけば話のネタに良かったのに……。
三十三年生きてきて初の体験。
慌てていたとはいえ、少々勿体ない事をしたものだ。
季節は春も終わり、六月が近付いてくる。
仕事を終え部屋で百合子と寛いでいると、「私の誕生日近いから、旅行へ行きたいな」と甘えてきた。
「六月? 百合子の誕生日って八月って言ってなかったっけ?」
品川春美との約束を寝坊ですっぽかし、百合子を初めて抱いた日。
その前日は歌舞伎町浄化作戦で、五店舗を見ていた内の一つ、フィッシュが警察に捕まった。
だから鮮明に覚えているのだ。
「えへへ……」
「何だよ、変な笑い方して」
「あの日どうしても智ちんに会いたかったのに、仕事で忙しいって冷たかったから、誕生日だって嘘ついちゃったの……」
「…たく……」
不思議とあまり怒る気になれなかった。
「何か欲しい物は?」
「うーん、物というよりも私は旅行へ連れてってほしいな」
「構わないよ。但し金は出すから予約とかそういうのは全部百合子がやるんだよ?」
「お安いごようです」
「…で、どこへ行きたいの?」
「五月後半に紫陽花が箱根満開なんだって」
「もう六月じゃん」
「まだ残っているかなって」
「まあ百合子の行きたいところでいいよ」
本当の誕生日は六月か……。
百合子の嘘の誕生日のおかげで、俺は春美と決別できた。
新宿クレッシェンドの感想を会って言いたい。
あの時春美はそう言った。
寝坊ですっぽかしたものの、今までの俺なら絶対にまたしつこく春美を追っていたはずだ。
そのあとで百合子と付き合ったからこそ、春美の幻影を追わずに済んだのである。
今年の八月で一年。
あれだけ想い焦がれた春美の事を思い出す事はほとんど無い。
百合子との充実した日々が、過去の傷を忘れさせてくれた。
事務所で仕事をしていると、山下が秋葉原のアップルから売上を持ってくる。
「はい、今日の売上四十八万円です。あ、歩合で三万抜いているので、実質四十五万です」
「おー山下お疲れ様ね」
順調な売上を重ねる山下に対し、長谷川は常に笑顔だ。
六月もこれではまた百万円近い給料を手にするのだろう。
俺はといえば、給料変わらず月に三十万前後。
気にするな……。
キリが無いから気にしないって決めただろう?
「それでは岩上さん、お先に失礼します」
「おい、山下」
「はい」
「飲みに行くのはいいけど、遅刻するなよな」
今日の昼に電話した時も、こいつは出なかった。
それでもあえて遅刻したと長谷川には伝えていない。
「大丈夫ですよー。適当に嗜む程度にしときますから」
妙に調子に乗る山下。
「図に乗って無駄遣いばっかしてんじゃねえって言ってんだよ! 勘違いしてんじゃねえぞ、小僧。おまえ次遅刻してみろ、この野郎が……」
「す、すみません……」
俺が怒り出すと初めてシュンとする。
「まあまあ岩上さん、山下も頑張っているんですから、そこまで厳しくしなくても」
長谷川の助け舟。
これが山下をより堕落させる。
月に百万円近い金をもらい、遅刻していてどこが頑張っていると言うのだ?
「いいか? 今稼げる金はずっとじゃないんだぞ。使う事ばかり考えないで少しは貯金しろ」
「ちゃんとするようにはしてますよ。何なら通帳見せましょうか?」
「別にいいよ。俺は老婆心で言ってるだけだ」
こんな状況下の中、オフィス街の神田で石黒名義の二号店が決まる。
石黒も山下同様、身元引受人を探して来れないでいた。
「岩上さん、また申し訳ないんですが、誰か身元引受人いないでしょうか?」
これ以上俺の知り合いを関わらせるのは本当に嫌だった。
先輩の岡部さんを山下の身元引受人にしたばっかりに、俺はここを離れるに離れられないのだ。
「石黒、身内で誰かいないの?」
「ええ…、勘当された身でまったく親族とは連絡取っていません……」
石黒は俺の後輩でもあり、ここへ最初に話を通したのも自分なのである。
当初の予定では図に乗った山下のアップルの名義を降ろさせ、代わりに石黒を使う予定でいた。
仕方ない。
引き受け手がいないと何も始まらないか……。
「一人、心当たりあります」
「本当ですか!」
「今はゴールデン街でBARを経営しているので、問題は無いと思います」
「あ、じゃあ今日岩上さんが大丈夫なら、そこ顔出してみましょうよ」
「すみません、岩上さん」
またこれで今日は川越へ帰れなくなる。
石黒の為なら、しょうがないか。
俺は百合子へ仕事でこっちへ泊まる報告をした。
新宿ゴールデン街。
元は歌舞伎町浄化作戦より前に、有路とよく飲み歩いた場所だ。
ワールドワンと同じ系列の店長だった有路は、貯めた金でBARを開く。
現在は区役所通りから入った二本道の右手奥の二階で、『アーリーズバー』を経営。
プロレス好きの有路とは、よく興行を観に行った。
長州力ファンの有路は、新日本プロレスの興行を好んで行く。
俺が巣鴨留置所から出てきたばかりの新日本興行は、最悪でつまらない。
チャンピオン藤田和之対佐々木健介は史上最低の試合だった。
胴締めスリーパーをする藤田の肩がマットについたからと、クソレフリーがスリーカウント叩き、ベルトが移動してしまう。
観客は大荒れで、リング上に様々な物が投げ込まれた。
暗黒期と呼ばれた当時の新日本。
酷い試合が本当に多かった。
帰り道によくゴールデン街へ寄り、朝まで飲む。
最近回数は減ったが、それでも有路の店には定期的に通っている。
長谷川が急遽有路に会いたいという事で、石黒も一緒に三人で向かう。
基本的に暇な店なので、歓迎はしてくれるだろう。
狭く暗い木造の階段を上がる。
二階はカウンター席のみ。
客は一人しかいない。
「有路さーん」
「おう、岩上!」
「今日は三人なんですけど」
「おう、座って座って」
俺は長谷川と石黒を紹介して酒を注文する。
「岩上はグレンリベットのストレート。二人はビールで…。はい、お待たせ」
乾杯をしてから、本題を切り出す。
石黒の身元引受人、報酬は二十万。
岡部さんの時同様、裁判へ石黒と出る事、捕まった警察署には一度は面会へ行く事等のルールを伝えた。
「まあ岩上の後輩なんだよな? いいよ、身元引受人やるよ」
有路が引き受けてくれ、これで神田二号店が発進できる。
秋葉原の店のほうが人通りも多い。
本当なら石黒を秋葉原、山下を新店の神田にしたいところだ。
神田の店名は『パイナポー』に決める。
フルーツシリーズの名前そのままだと、いまいち面白くない。
石黒は嫌がったが、パイナップルよりインパクトはあるだろう。
誕生日は箱根へ旅行。
そのつもりでいたが、急に百合子が変えてくる。
「ねえ、旅行の行き先ちょっと変更したいんだけど」
「何でだよ?」
もともと出不精で面倒臭がり屋の俺は、百合子の気まぐれに少し腹を立てた。
本来旅行自体が面倒で嫌なのだ。
「何かね、気のせいかもしれないんだけど……」
「何だよ? 箱根って言っておいて、どこ行こうってんだよ」
「長野」
「はぁ? 何でそうなる訳? 理由は?」
「長野に智ちんと一緒に来てほしい……。そう雷電に言われているような気がしてね。何でだか私にもよく分からないのよ。ただ、そうしてほしいって…。智ちんにそう伝えるのをお願いされている気がするんだ」
自分の話す言葉が妙にしどろもどろな百合子。
「はぁ? それで何で長野なんだよ? その根拠は?」
「分かんないよー、そんなの…。だからあくまでも私がそう感じただけって言ってるでしょ」
ちょっとした肌寒さを覚え、俺はパソコンを開き、雷電について調べてみた。
雷電の生まれた時代は、まさにあの「天明の大飢饉」の頃である。
民衆は天の無慈悲にさいなまれ、為政者の搾取に苦しんでいたあの頃である。
当時の相撲は、横綱谷風が出現し、ようやく近代相撲の兆しが見えてきていたが、その実態は藩に召抱えられ、飼われていた男芸者であり芸人であった。
勝負は馴れ合いでするものであったし、勝ち負けに対し武士達が口出しし、藩に都合のいいように勝敗が捻じ曲げられていた。
そんな時代である。
雷電は恵まれた体躯とたぐい稀な膂力を持って、そのような馴れ合いが常識であった相撲界に単身挑んで行く。
彼は阿修羅のような形相で相手力士を力でねじ伏せ、突き飛ばし、土俵に叩きつけてゆく。
そのような雷電の姿勢をとがめる親方連中、武士達に対して、彼は一歩も譲らない。
裸同然赤子のような姿で相手と立ち会うのが相撲だ。
まったくの無防備の姿で相手に立ち向かうのだから、全力を尽くすのが相手に対する礼儀だろう。
それで怪我をしようと命にかかわろうと、それは力士という道を選んだ時に覚悟はできているのだと。
当時、農村において子供は貴重な労働力であった。
まして巨体と怪力を持っている男の子は、親の家族の希望の星だ。
しかし不幸にも雷電の父は、我が子の身体に力と同時に類稀な知性が宿っていることを知った。
家に置けば生活は楽になる。
しかしそれでは、この子は駄目になる。
父は我が子を谷風の元に預ける事にする。
それは同時に、子にとって親と故郷を捨てる事を意味していた。
そんな時代だった。
もう彼には帰るべき故郷はない。
彼は全力ですべてに立ち向かうしかない。
全力で立ち向かわなければ、あの父に合わす顔がない。
このような雷電の姿に、兄弟子達も目覚めて行く。
女色と飽食にまみれ、武士のご機嫌取りに終始していた怠惰な巨人達に眠っていた闘う本能が次第に甦ってゆく。
年下の雷電を範として、男達はすさまじい稽古を続け、土俵でその力の限りを尽くしてゆく。
民衆もまた、そのような雷電の姿に熱狂する。
相手を全力で投げ飛ばす憤怒の阿修羅の姿はまさに、時代を覆うやりきれない絶望的な状況を突き破ろうとする姿であり、大地にめり込まんばかりの四股は、時代の闇に潜む悪鬼どもを踏み潰している姿であった。
雷電は怒れる巨人であり、同時に心優しき巨人であった。
土俵は女人禁制、相撲見物すら女には許されない時代であった。
女達にとって、力士とは遠く仰ぎ見る存在でしかなかった。
当時は、女達にとっては悲嘆の時代でもあった。
生まれてくる子供のうち半分は乳離れもしない内に死んでしまっていた。
しかも世は未曾有の大飢饉。
今乳を含ませている赤子が、来年まで生き延びるには奇跡にでもすがらなければいけない。
そんな時、親は無双の金剛力に頼ろうとする。
この子に生きる力を授けてくれるとしたら、それは天地をも揺るがす雷電の力でしかありえない。
そんな女達が抱いた子供を見ると、雷電は必ず抱き上げ、頬ずりし祝福した。
小さきもの、いたいけなものに身を守るすべすらないものに、己の天下無双の力を授け、生き延びるようにと願いながら……。
雷電は弟子一人を連れ、飢饉のひどい村むらを回る。
生きる気力すら失い、徹底的に打ちのめされた人々を前に、雷電は弟子にぶつかり稽古を命ずる。
少年は全力で雷電に向かうが、雷電は容赦しない。
手心を加えず少年を叩きのめし、捻り潰し、突き飛ばす。
悪鬼の如く立ちはだかる雷電に、意識朦朧としながらも少年はぶつかって行く。
その姿にいつしか村人達は立ち上がり、必死に応援する。
自分達の声が少年に力を与えるようにと……。
そしてついに、少年が雷電を押し出す。
次の朝、雷電は時ならぬ鬨の声で目覚める。
あの無気力だった村人達が手製の弓矢、竹槍を持ち、鍬や鎌を持ち兎や鹿を追っている声だった。
座して死ぬのはごめんだ。
どうせ死ぬなら力一杯闘おう。
遠い先祖達が野山を駆け巡ったように、自分達も猪を追い詰め、鹿を狩ろう
やがて飢餓の村に宴が始まる。
村人達の頬が夕日に照らされる。
雷電とはそんな相撲人であった。
雷電についてどこかに書いてあったものを一部抜粋してみた。
俺は雷電の生き様を考え、何故か嬉しく誇りに思う自分に気がつく。
最強の力士と言われ、現世においても未だ名を轟かせている。
本当にこんな大人物が俺の前世だっとでも言うのだろうか?
俺はさらに彼について調べてみた。
雷電は1767年(明和4年)信州(長野県)に生まれました。
江戸相撲の浦風林右衛門の門弟となって18歳で江戸に上り、23歳にして雲州松江藩主のお抱え力士となり、藩ゆかりの四股名「雷電」をもらって「雷電為右衛門」を名乗りました。
29歳で大関に昇進し、45歳で引退するまでの16年間27場所で大関を保持した。
また、強すぎる為「かんぬき」「張り手」が禁じ手とされました。
最高位が大関で横綱ではなかった事には、江戸時代横綱が儀礼的な地位であった為とか、抱えの松江藩と、相撲の家元と関係が深い細川藩との確執があった為など諸説ありますが、そこは未だ謎に包まれています。
生涯の相撲成績は、254勝10敗、引き分け他21。
勝率が96.2%、そして連続優勝7回と、いずれも古今最高を記録し、相撲史上最強の力士と言われています。
ちなみに千代の富士の勝率は76.1%、曙が74.1%です。
体格は身長197センチ、体重168.7キログラムでした。
今バラエティで人気のK-1選手ボブ・サップが205cm、160kgなので、ほぼ同じくらいの体格だったと言えるでしょう。
またちなみにジャイアント馬場が209cm、135kg。貴乃花が身長183cm 体重 150kgです。
彼らと比較してみても雷電の大きさがわかるでしょう。
また雷電は現在の様々なシーンにも登場します。
例えば、1975年4月4日から1976年3月26日までに全50話が放送されたロボットアニメ「勇者ライディーン」は、「雷電」を英語風にもじって名づけたといわれています。
また、日本テレビの人気番組「雷波少年」と「電波少年」との合同番組の名前は「雷電為右衛門」です。
百合子がよく分からないと言いながら長野と旅行先を変更。
雷電の産まれた地は長野。
調べていく内にどんどん不思議な感覚に包まれていく。
あと三週間ほど経てば、俺は雷電の生まれた地へ行く事になる。
これも俺の背負った運命でもあるのだろうか?
旅行とは無縁だった俺も、長野へ行く件に対し次第に興味が沸いてくる。
また時間が出来たら、あの群馬の先生のところにでも行ってみようか……。
ふと、そんな事を今考えている。
群馬へ行って、一週間経つ。
休みの日、俺の部屋に百合子が泊まりに来た。
腹が減ったら食べに行き、それ以外は部屋でゴロゴロ。
レンタルビデオ屋へ行き、また数枚のDVDのコピーを俺に頼んでくる百合子。
ついでだから俺も怖い系の作品を数枚選んで借りた。
DVDのコピーを始めながら、待ち時間を借りてきたホラーDVDを見て過ごす。
いつもと何ら変わらない風景。
その日はのんびり過ごし、映像を見ながら睡魔が襲ってくる。
そのまま寝ていると、急に脳裏へ変な顔のようなものがへばりついたような違和感を覚えた。
目を潰り真っ暗状態の中、左上の方に逆さにぶら下がり血を流した顔が見えるのだ。
モヤモヤして目を覚ます。
その見えたイメージを俺はパソコンを使って書いてみた。
百合子が「塩、あれから買ってないでしょ?」と聞いてくる。
確かに面倒だったので、あれ以来何も俺はしていない。
帰り際、百合子は「荒塩買っておくね」と言って帰った。
さっきの変な残像のようなものは一体何だったのか?
俺の気のせいならいいが……。
二時間ほど経ち何気なく百合子へ連絡したら、俺のところに戻ってくると言う。
訳を聞くと、塩を買おうとして手に持ったら、いきなり腕が痙攣しだしたらしい。
群馬の先生が俺はパワーがあると言っていたのを思い出し、祓ってもらおうと思ったみたいだった。俺は自分自身に力があると思い込み、この間の先生を真似て試してみたが、百合子はまだ何か残っていると言う。
俺はこれ以上どうする事も出来ず、とりあえず百合子を家に帰らせた。
群馬の先生にこの現状を詳しく伝える為にメールを打った。
『夜遅くにすみません。先週の日曜日四時に伺った岩上智一郎です。前世が雷電って先生が言ってた者です。お忙しいところすみません。俺が今日、変な顔の残像が頭の中に残るような違和感を覚え、その事を百合子に伝えました。しばらくして百合子の右腕が急に違和感を覚え、痛みを訴えてきました。痙攣してるようです。一応自分が頭の中でこびりついた感じの顔をパソコンで描き、表現してみました。下のアドレスをクリックすれば、その絵がみれます。この絵を百合子が見て、この絵のような気がすると言うのですが、どうでしょうか? 明日、昼頃電話しますのでいつ頃予定空いてるか教えて下さい。行けるとしたら土日になります。お願いします。 岩上智一郎』
すると、すぐに先生は丁寧に返事をくれた。
『こんばんは。浮遊霊を 拾ったみたいね。 両手に塩を持ち頭の上にあげ「 ●の●、そして ●●●様 ●●の●を 下さい。●を●●にお返し下さい」。手にビリっときたら 塩をあたまから かける。そして左人差し指を頭のてっぺんに立て、「 悪しきエネルギーは ●の●の●から 抜けていく 私は●●●」と言い右手を 自分の頭の上から下に降ろし、床にトンと着ける。左手を離し右手でフイーッと手刀で切る。頭の上と足の先を。やってみて下さいね、二人で。あとあなたはできるなら変なビデオ見ないほうが良いというのが 分かるでしょう。 頑張って! 浄化をする時間帯は(朝 4:00~夜9:00)にして下さい。間違っても 夜中2:00~2:30 は絶対しないで下さい。乗っ取られます。牛三時は 霊魂が飛び交いますから。 群馬の先生』
俺はすぐに百合子の家へ向かう。
車で十五分程度で着く。
ビデオなんて俺は一言もメールに書いていない。
ちょっと前にDVDの呪怨2のコピーガードを外し、同じものを何枚か作ったのがいけなかったのか?
とりあえず言われた通りやってみようと思った。
百合子の家でその通りやってみたが、まだ何か右腕に違和感があると言う。
俺はアレンジして浄化しようとやってみた。
「●の●そして ●●●様、そして雷電…。●●の●を俺に欲しい。●を●●にお返しください」
「 悪しきエネルギーは 私の●の●から 抜けていく 私は●●●」
俺が頭の上に右手をかざすと、百合子はいきなり「オエッ」と何度も吐きそうなり、俺にもたれ掛かるように身体を預けてくる。
「おい、大丈夫かよ?」
「だいぶ楽になった。なんか、出て行くのをすごい拒むような感じで、私の腕の中で急に暴れだしたみたい」
百合子の安否を確認してから俺は家に帰る。
一時間ほどして連絡が来た。
あのあと百合子が、群馬の先生のところへ電話をしたらしい。
するとまだ小指のところに残っているからと祓ってくれたらしい。
前世は雷電だと聞いてから、俺の身の回りで起きる不思議な出来事の数々。
できれば俺の気のせいで済ませたいものだ。
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