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筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●『源氏物語』38帖 鈴虫(すずむし) 愁(うれ)いの秋

2025年01月04日 | xx源氏物語

『源氏物語』38帖 鈴虫(すずむし)
(うれ)いの秋
光源氏50歳夏-秋 准太上天皇時代
女三の宮23歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[女三の宮の持仏供養]
夏、蓮の花の咲くころ、女三の宮の持仏供養が行われた。光源氏尼姿の女三宮に後に残された悲しみを訴えるが、はつれなく言葉を返すだけだった。

[鈴虫の音を聞く]
8月の十五夜、光源氏女三の宮を訪ね、共に小声で経を読み、鈴虫の音を聞いた。光源氏がいまだに女三の宮を思いきれないようなことをいうので、女三の宮迷惑に思うも言い出せない。


巻名は女三宮と光源氏の歌による
「おほかたの秋をばうしと知りにしをふり棄てがたきすず虫のこえ」
「こころもて草のやどりをいとへどもなほすず虫の声ぞふりせぬ」

※写真は、「鈴虫のイラスト」/無料(フリー)イラスト素材を使用


光源氏をとりまく人達が人生の華やいだ季節の終わりを感じています。50歳になった光源氏もまた老いを自覚し、出家を考えていました。


【源氏物語38帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。

 


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』37帖 横笛(よこぶえ) 柏木の一周忌と遺品の横笛

2024年12月29日 | xx源氏物語

『源氏物語』37帖 横笛(よこぶえ)
柏木の一周忌と遺品の横笛
光源氏49歳 准太上天皇時代
夕霧28歳/女三の宮22歳/薫2歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[柏木の一周忌]
翌春、光源氏柏木の一周忌を盛大に営んだ。
朱雀院落葉の宮女三の宮の不運を嘆いた。

[遺愛の横笛]
夕霧落葉の宮を訪ねているうちに、いつしか心惹かれていった。
ある秋の夕暮れ、夕霧落葉の宮を訪ね、一条御息所(落葉の宮の母)から柏木遺愛の横笛を贈られた。


巻名は夕霧の歌による。
横笛のしらべはことにかはらぬを
       むなしくなりし音こそつきせぬ」


※写真は、「龍笛」/無料(フリー)写真素材を使用


その夜、夕霧は夢で柏木の亡霊と逢う。
柏木は「横笛は夕霧ではなく実子に伝えたい」という。
翌日、夕霧は六条院に光源氏を訪ね、柏木の夢を伝える。
光源氏は「その笛は自分が預かるべきものだ」という。
夕霧は真相を聞き出そうとするが、光源氏に話をそらされてしまう。


【源氏物語37帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。イケメンだが、真面目で恋愛下手である。
雲居の雁と妾の藤典侍だけしか妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

落葉の宮(おちばのみや)
朱雀院の女二の宮で、柏木の正室である。
柏木は、女三の宮に恋慕していたため、この正室を「落葉のようにつまらない人」と気に入らなかった。柏木が没した後は、夕霧の妻となる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』36帖 柏木(かしわぎ) 女三の宮の出産と出家、柏木の死

2024年12月22日 | xx源氏物語

『源氏物語』36帖 柏木(かしわぎ)
女三の宮の出産と出家、柏木の死
光源氏48歳正月-秋 准太上天皇時代
柏木33歳(死去)/夕霧27歳/女三の宮23歳/薫1歳
※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[女三の宮の出産]
翌春、女三の宮は男の子(薫)を産み、父朱雀院に哀訴して出家した。
帝は柏木の重病をあわれみ、権大納言に叙された。

[柏木の死]
柏木は見舞いにきた夕霧に秘密を打ち明け、光源氏の許しを乞い、落葉の宮(柏木の妻)の行く末を頼んで亡くなった。
4月、夕霧は落葉宮を訪ね、柏木をしのんだ。
将来を嘱望されていた柏木の死を誰もが惜しみます。


巻名は柏木の未亡人落葉の宮の母・一条御息所が詠む和歌にちなむ。
柏木に葉守の神はまさずとも
           人ならすべき宿の梢か」


※写真は、「カシワの葉っぱ 新緑」/無料(フリー)写真素材を使用


【源氏物語36帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。イケメンだが、真面目で恋愛下手である。
雲居の雁と妾の藤典侍だけしか妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

落葉の宮(おちばのみや)
朱雀院の女二の宮で、柏木の正室である。
柏木は、女三の宮に恋慕していたため、この正室を「落葉のようにつまらない人」と気に入らなかった。柏木が没した後は、夕霧の妻となる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』35帖 若菜下(わかなげ) 柏木と女三の宮の不義密通

2024年12月15日 | xx源氏物語

『源氏物語』35帖 若菜下(わかなげ)
柏木と女三の宮の不義密通
光源氏41歳春-47歳冬 准太上天皇時代
源氏41~47歳/紫上33~39歳/明石君32~38歳/秋好中宮32~38歳
玉鬘27~33歳/柏木25~31歳/夕霧20~26歳/雲井雁22~28歳
女三の宮15~21歳/明石女御13~19歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[冷泉帝の譲位]
冷泉帝が譲位し、今上が即位して4年間が経った。
東宮には明石女御の皇子が立ち、太政大臣(もとの頭中将)は隠居し、髭黒は右大臣に、夕霧は大納言兼左大将に昇進した。

[光源氏、住吉に参詣]
10月、光源氏は紫上や明石女御どを連れて、住吉明神に参詣した。
まもなく女三の宮は二品に叙された。
※二品は、親王の位階の第二等。
 親王の位階は一品(いっぽん)より四品まで四等級ある。

[紫の上、重病に臥す]
翌年の正月、六条院で女楽が行われたが、その後紫の上は重病に付し、二条院に移った。


『契りおかむ この世ならでも蓮葉
                                 玉いる露の心へだつな

※写真は、「蓮(はす)」/福岡で私が写したもの。

儚(はかな)い命を悲しむ紫の上に、光源氏蓮葉に置く露のように、あの世でも一緒だと詠う。


[柏木、女三の宮と契る]
柏木女二宮(落葉宮)と結婚したが、蹴鞠の日に見た女三の宮が忘れられず、賀茂の斎院の御禊の前日、小侍従を介して女三の宮と会い、許されぬ契りを結んでしまった。


[女三の宮、柏木の子を宿す]
やがて女三の宮は妊娠した。
光源氏は不審に思ったが、ある日柏木の手紙を発見し、すべての秘密を知った。そして、かつて光源氏藤壺を妊娠させたことを回想し、宿命の恐ろしさにおののいた。

[柏木、病に臥す]
六条院で朱雀院御賀の試楽が催された夜から、柏木は病床に臥した。


【源氏物語35帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

紫の上(むらさきのうえ
光源氏の最愛の妻。女三の宮が源氏の正妻となることにショックを受ける。
胸の病気にかかった上、六条御息所の怨霊にとりつかれ、一時絶命するが蘇生。
しかし体調は完全には戻らず、43歳で亡くなる。

女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』34帖 若菜上(わかなじょう) 女三の宮、光源氏の正妻に

2024年12月08日 | xx源氏物語

『源氏物語』34帖 若菜上(わかなじょう)
女三の宮、光源氏の正妻に
光源氏39歳冬-41歳春 准太上天皇時代
紫上31~33歳/秋好中宮30~32歳
明石の君30~32歳/明石女御11~13歳
女三の宮13~15歳/玉鬘25~27歳
夕霧18~20歳/柏木23~25歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[朱雀院、女三の宮を光源氏に託す]
年末に女三の宮の裳着の式が盛大に行われ、その3日後、朱雀院が出家した。朱雀院女三の宮の行く末を思案し、光源氏に託した。
光源氏はやむをえず引き受けた。
光源氏から女三の宮との結婚を打ち明けられた紫の上は動揺するが納得する。

[光源氏、四十の賀]
翌年の正月、光源氏の四十の賀が催され、2月には女三の宮が六条院へ移った。


巻名は、光源氏の40歳の祝いの席に養女の玉鬘が若菜を差し出したこと
および光源氏の歌にちなむ。
若菜(わかな)は、春になって目を出す菜の類を言います。

「小松原末のよはひに引かれてや
       野辺の若菜も年をつむべき」

※写真は、「フキノトウ」/無料(フリー)写真素材を使用


その後、紫の上は一人寝の夜が多くなった。
その月、朱雀院は西山へ移った。
光源氏女三の宮の幼さに失望し、改めて紫の上の真価を思った。

[明石女御の出産]
翌年3月、明石女御(もと明石の姫君)は男の子(後の東宮)を産んだ。
明石入道はこれで宿願を果たし、深山に隠遁した。

[柏木、女三の宮を垣間見る]
その月、六条院で蹴鞠が催された。
たまたま走り出た猫の綱がからまって御簾が引き上がり、柏木は美しい袿姿の女三の宮を垣間見てしまう。



※写真は、「雛人形」/無料(フリー)写真素材を使用


柏木はその夜、小侍従を介して、女三の宮に切なる思いを手紙で伝えた。


【源氏物語34帖に出てくる主な登場人物】

光源氏ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

紫の上(むらさきのうえ)
光源氏の最愛の妻。女三の宮が源氏の正妻となることにショックを受ける。
胸の病気にかかった上、六条御息所の怨霊にとりつかれ、一時絶命するが蘇生。
しかし体調は完全には戻らず、43歳で亡くなる。

女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。

朱雀院帝(すざくいん)
桐壺帝の息子で、母は弘徽殿女御。光源氏の異母兄である。
光源氏と朧月夜が恋仲であることを知りながら、朧月夜を深く愛する。
やさしく穏やかな性格の男性である。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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