筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●『源氏物語』29帖 行幸(みゆき) 玉鬘の成人式と、実父との対面

2024年11月02日 | xx源氏物語

『源氏物語』29帖 行幸(みゆき)
玉鬘の成人式と、実父との対面
光源氏36歳冬-37歳春 太政大臣時代
玉鬘22~23歳/右大臣41~42歳/冷泉帝18~19歳/髭黒31~32歳

[大原野の行幸]
12月、玉鬘は大原野(京都市西京区大原野)に鷹狩の行幸を見物し、実父の内大臣(もと頭中将)をはじめて見た。光源氏そっくりの美しさを持つ冷泉帝に心ひかれ、宮仕えをする気持ちに傾いた。
行列の中に髭黒大将もいたが、黒く髭の濃いその人を見て、玉鬘は親しめないものを感じた。

巻名は玉鬘と光源氏の歌による。
「うちぎらし朝ぐもりせしみゆきにはさやかに空の光やは見し」
「あかねさす光は空にくもらぬをなどてみゆきに目をきらしけむ」

※写真は、「賀茂街道を行く葵祭の行列」/無料(フリー)写真素材を使用

冷泉帝鷹狩りの行幸(みゆき/ぎょうこう:帝が外出すること)

※写真は、「オオタカ」/無料(フリー)写真素材を使用

[玉鬘の裳着]
翌年、光源氏玉鬘の裳着(成人式)をするにあたり、内大臣玉鬘の素性(夕顔と内大臣の娘であること)を明かした。光源氏内大臣はライバル同士ではあるが、亡き葵の上光源氏の妻・内大臣の妹)の義兄弟の関係でもある。
内大臣は成人した玉鬘を見て涙を流した。

※写真は、「平安貴族のイメージ 姫君の後ろ姿」/無料(フリー)写真素材を使用

 

このところ、わだかまりのあった光源氏頭中将でしたが、昔のように打ち解けることができたのでした。


【源氏物語29帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

内大臣(もと頭中将)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』28帖 野分(のわき) 夕霧、義母・紫の上に心を奪われる

2024年10月27日 | xx源氏物語

『源氏物語』28帖 野分(のわき)
夕霧、義母・紫の上に心を奪われる
光源氏36歳秋 太政大臣時代
夕霧15歳/紫の上28歳/玉鬘22歳

[夕霧、紫の上をかいま見る]
8月、野分(台風)が例年よりも激しく吹いた。


野分」(のわき)は、台風の古い呼び名。

※写真は、「台風での倒木被害」/無料(フリー)写真素材を使用



夕霧は風の見舞いに六条院を訪れます。風によって開け放たれた隙間から紫の上の御姿を垣間見て、樺桜(山桜)が咲き乱れるように華やかで美しい……と心打たれます。

山桜(やまぎくら)~バラ科の落葉高木。
           4月頃に薄いピンクの花を咲かします。
※写真は、「山桜」/福岡で私が写したものです。


夕霧は、光源氏が息子の自分を六条院に住まわせないのは紫の上に近づけないためだろうと感じました。
光源氏夕霧の魂の抜けたような様子から、直感的に紫上の姿を見たのだと見抜く。

[台風の見舞い]
翌朝、夕霧は六条院の花散里秋好中宮とを見舞い、光源氏明石の君玉鬘とを見舞った。
夕霧は御簾の隙間から光源氏玉鬘の親子以上の様子を見てしまう。
夕霧はまたしても玉鬘の美しさに心奪われる。

夕霧が三条宮に帰ると、祖母大宮が雲井雁に会いたいと内大臣に迫っていた。


【源氏物語28帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

紫の上(むらさきのうえ
幼い頃は、「若紫(わかむらさき)」と呼ばれる。
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』27帖 篝火(かがりび) 光源氏、玉鬘と添い寝する

2024年10月20日 | xx源氏物語

『源氏物語』27帖 篝火(かがりび)
光源氏、玉鬘と添い寝する
光源氏36歳秋 太政大臣時代
玉鬘22歳/夕霧15歳/柏木20歳

[篝火に照らし出される玉鬘の美]
7月初秋の頃、光源氏玉鬘のもとにいて和琴を枕に添い寝した。
人目を気にして立とうとすると、篝火の勢いが落ちていたので一際明るく灯させた。その光に映えた玉鬘の姿はなやましいばかりに美しかった。

巻名は光源氏と玉鬘が交わした贈答歌にちなむ。
篝火(かがりび)にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけれ」
「行く方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば」


※写真は、「かがり火」/無料(フリー)写真素材を使用

折から、花散里の住む東の対から、夕霧柏木らの合奏する笛と琴の音が聞こえてきたので、彼らを招いて演奏させた。
柏木は実の姉とも知らず、玉鬘に思いを寄せていた。
一方、柏木を弟と知る玉鬘は父譲りの柏木の和琴の音色に耳を傾けていた。


【源氏物語27帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

内大臣(もとの頭中将(とうのちゅうじょう))
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』26帖 常夏(とこなつ) 内大臣のもう一人の娘、近江の君

2024年10月13日 | xx源氏物語

『源氏物語』26帖 常夏(とこなつ)
内大臣(もと頭中将)のもう一人の娘、近江の君
光源氏36歳夏 太政大臣時代
玉鬘22歳/近江君?歳/夕霧15歳

[無教養な近江君]
内大臣(もとの頭中将)は、娘の近江君(母は某女)を引きとります。
近江君は軽口の無教養な女で、世間の評判になっていた。
真夏のある日、光源氏は釣殿に涼み、近江君を話題にして内大臣の処置を皮肉った。
その日の夕方、光源氏玉鬘を訪ね夕霧(息子)と雲居雁(内大臣の娘)との恋愛事件のいきさつを語った。
玉鬘は養父である光源氏と、実父である内大臣の仲の悪さを悲しんだ。
内大臣は娘の弘徽殿女御に近江君の教育を託し、行儀見習いに出すことにしました。

巻名は光源氏と玉鬘が常夏の花(撫子)を詠んだ和歌にちなむ。
なでしことこなつかしき色を見ば
                                  もとの垣根を人や尋ねむ」

【常夏(とこなつ)】《夏から秋にかけて咲くところから》ナデシコの古名。

※写真は、「常夏(とこなつ)・繊細な花びらナデシコ」/無料(フリー)写真素材を使用

光源氏の娘、玉鬘の評判が良いのもうらやましく、行方の分からない夕顔との娘を帝の后にできないかと探しますが、その娘こそ玉鬘だと知らないのです。


【源氏物語26帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

内大臣(もとの頭中将とうのちゅうじょう))
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

近江の君(おうみのきみ)
頭中将の娘。
光源氏が美しい玉鬘を引き取ったことをうらやましく思い、探し出してきた娘である。
(実は玉鬘は頭中将の娘)早口で教養がなく、笑われ役である。

雲居の雁(くもいのかり)
頭中将の娘であり、夕霧の正室。
夕霧とは幼馴染で、二人とも大宮に育てられた。子だくさんであった。
夕霧が落葉の宮に心を寄せるようになった際には嫉妬するシーンが描かれている。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』25帖 蛍(ほたる) 蛍のいたずらで求婚者をからかう養父

2024年10月06日 | xx源氏物語

『源氏物語』25帖 蛍(ほたる)
蛍のいたずらで求婚者をからかう養父
光源氏36歳夏 太政大臣時代
玉鬘22歳/紫の上28歳/夕霧15歳/柏木20歳

[蛍火に照らし出される玉鬘の美]
光源氏玉鬘に思いを打ち明けておきながら、自分の弟、蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)玉鬘の相手に選び、ふたりをけしかけて楽しみます。五月雨の夜、兵部卿宮(源氏の弟)が玉鬘を訪ねます。
光源氏は折を見てたくさんの  を玉鬘の顔の辺りに放った。

その光に照らされた玉鬘の美しさに兵部卿宮は魅せられてしまった。
昆虫の「蛍」がその巻名になっています。

※写真は、「蛍の光」/無料(フリー)写真素材を使用

[物語論]
そのころ、光源氏は絵物語に熱中している玉鬘のもとにきて、玉鬘を相手に物語論を展開した。

[夕霧の恋]
夕霧は相変わらず雲井雁を恋しく思い続け、仲を引き裂いた内大臣(もと頭中将)を恨んでいた。


【源氏物語25帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)
桐壺帝の皇子で、朱雀帝、光源氏の異母弟。「蛍」の主要人物であることからこの名で呼ばれる。(藤壺の兄の兵部卿宮とは別人)


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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