ぼくは愛されてそだったんだ。
幸福な子供だった。
みんなぼくを好きだった。
おじさんが、特にぼくを気に入ってくれてね。ぼくもかれが大好きだった。
だけどね。
ぼくがおじさん以外の…ぼくの友人を好きになったとき、おじさんが怒ってぼくに折檻したんだ。
怖かったよ。
それから、ぼくは不幸になった。
親は驚いてぼくを病院に連れていくし、おじさんは一族から破門。
家庭はめちゃくちゃ!
ぼくもズタズタ!
それでぼくは家出したんだ…。
きみよりは不幸じゃないだろ?
何故?
おれの方が不幸だって決めつける?
だあって!
顔に書いてあるよ!
不幸でした!
慰めてください!って!!
…。
人に聞かせる程の物じゃない。
強がっちゃって!
意地張ってないで、誰かに心開いて…。
泣かせて貰いなよ。
きみには必要だよ。
涙を流す場所がね…。
きみが良ければ…。
ぼくの胸はいつでも、きみの涙を受け止める準備が出来てるよ。
一人でいいんだ。
ありのままの自分を、受け入れて、誰にも言えない傷を打ち明けられる人が、1人でもいれば…。人は立っていられる。生きていける…!
その時、おれの脳裏に浮かんだのは…、
キャンディだった。
そしておれは、寂寞とした気持ちになった。