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告白:湊かなえ

2009-06-04 | 日常日記
今日は久々にチラッと読書。

湊かなえさんの「告白」。


一つの事件とその後について、登場人物それぞれの側面から短篇形式で描いた推理小説です。
ただ、推理、と言っても謎解き→解決。ではありません。
あり得ないけど生々しくリアルで、何とも印象的な本でした。引き込まれるじゃなく、「静かに取り込まれてく」感じ。


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ある中学のプールで、女性教師の幼い娘が水死体でみつかり、その事件について彼女が担任して居る生徒達に話をする所から一話目が始ります。

始めは、なかなか本筋に入らずに、現実にある事件・出来事・人物を思わせる話について主人公(作者)の意見を書いて居るような印象なのですが、次第にそれが、彼女が起こした「復讐」に集束していきます。
改行も少なく、様々な話を続けるかたり口に最初は少し戸惑ったのですが、その話もなかなか(個人的に)興味深く、最後も「……えっ。あ、うわっ…」と、静かにジワゾワッときます。
「復讐」の目的よりも、内容の生々しい感じというか、イメージしちゃうと何とも…。


全体を通しても、予想外の展開や色々な側面がある内容なんですが、個人的には、心理劇じゃないけど…何ていうか、人って、結局自分基準で、自分の知ってる事でしか世界を受け取れないよなっていうか。
人の色んな側面とか、目に見えない偏りとか、犯罪に関する日頃のもやもやした部分とか、世の中の鬱陶しい事とか、でもやっぱり色んな面があって色々関わりあってて自分もそこの一部分だよなとか、私のアホな頭でも何か色々考えさせられました。


お子さんが居る方はまた別の見方だろうし、学生なら犯人や同級生達、またあの若い教師の話辺りに「ああ…」かもだし、印象に残る所も人によって違いそうな気がします。
…それって凄いな。


あと、私は締めが。
締めの締めが…。えっ…!と。
母親の反応は書かれて無いけど、そうやったって事で匂わされてるし、っていうか、それやっちゃうの!?みたいな。
(読んだら分かります。)

何か、「面白い」って言葉で表現したら駄目な本だなぁと。
読後感は「複雑」「こんな小説もあるのかぁ」「頭がグルグルする」(褒め言葉)です。


あんまり読み返したく無いけど、何年かしたらまた読んで見て自分がどんな感想か知りたい本。
中学生位の時にも読んで見たかったなぁ。


何かあやふやな説明ですみません。
湊さんの本、また読んでみたいです。