EKKEN♂

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ブラック・ジャックはオススメしません

2005-03-13 | 本の話
 ブラック・ジャックが再評価されているのか、日テレでもアニメ化されているようで、長年の手塚ファンとしては、喜ぶことなのでしょうか?
 ブラック・ジャックは過去に何度か映像化されてきましたが(この記事の最下段参照)、手塚漫画って、手塚治虫本人の強いアニメへの造詣とは裏腹に、アニメ化には向いていない作品が多く、どれもアニメとしては駄作が多いなぁ、と思っているのは僕だけなんでしょうか?
 (例外は海底超特急マリン・エクスプレス。手塚キャラ総出演のこのアニメは、日テレの夏の風物詩・24時間テレビが企画された第一回目のスペシャルアニメで、手塚ファンなら垂涎モノです。このアニメにでてくるブラック・ジャックが、めちゃくちゃカッコ良い)
 
 ところで我が家には、秋田書店の文庫版ブラック・ジャックが揃っているのですが、これを読み返してみると、ブラック・ジャックって世間での評価ほど「名作」という気がしないのです。
 


 この文庫版ブラック・ジャック、週刊少年チャンピオンの連載順ではなく、あくまで「傑作選」的な再編集版でして、第1話「医者はどこだ!」のみ、発表順と合致しているものの、他の収録作品の掲載基準がハッキリせず、選者のお気に入り度に合わせて決めていったのか、本来「この順番で読まなければならない」はずのものも、全く無視されて収録されているという、秋田書店のいい加減さがハッキリと感じ取れるダメダメ漫画なのです。
 (余談ですが、その第1話「医者はどこだ!」(発表年1973年)は、つげ義春の「ねじ式」(1968年発表)の主人公の台詞から拝借したものではないかと邪推。参考ページ:つげ義春の隠れ家
 出版者サイドの「売れればイイや」的刊行の証拠として、この文庫シリーズ、巻数を追うに従って、収録作品に駄作が目立つようになります。題名に付された「The best ○stories by Osamu Tezuka」(○にはその間に収録された作品の数が入ります。12前後)は、いかにも「傑作選」であるかの様な体裁ですが、傑作ぞろいなのはせいぜい5~6巻目くらいまで。徐々に「これはないよなぁ」という話が増えていくのが、誰の目から見ても明白です。
 この文庫シリーズのいい加減なところは、順番がばらばらに収録されているにもかかわらず、各作品が「いつ描かれた物」なのか、全く触れていないことからも分かります。
 普通、この手の作品集って、何年の何月発売の雑誌に掲載されたかくらいは記述されていますよね。資料的価値を高める為にも必要なものだと思うのですが、それがありません。
 それなのに、話の流れ的に先に収録されていなければならない話が、後から出てきたりするので、続けて読んでいる読者に混乱を与えることになるのです。
 そんなわけで、現在放映されているアニメ版ブラック・ジャックを見て、コミックを読んでみようと思った人は、チャンピオンコミックスの復刻版のほうを購入することを強くオススメします。






 個人的には手塚漫画の最高傑作はこれだと思います。

アドルフに告ぐ (1)
手塚 治虫

アドルフに告ぐ (2) アドルフに告ぐ (3) アドルフに告ぐ (4) アドルフに告ぐ (5)
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過去に映像化されたブラック・ジャック
ブラック・ジャックOVA DVD-BOX ブラック・ジャックII~天才女医のウエディングドレス~ ブラック・ジャック 劇場版

加山雄三の「あの笑えるやつ」が見つけられなくて残念!