母が最期を過ごした病院は
峠の向こうにありました
私は母に会うために毎日
峠を歩いて越えました
昨夜 村のぐるりをジョギングしていると
梅の香りがほのかに鼻をかすめていきました
それで峠の記憶が久しぶりに出てきてくれたのでした
母のいる病院を目指して峠を越え
まもなく行くと、南を向いた山の斜面には
陽射しを浴びてたくさんの梅の花が咲いていました
介護にセンチメンタルは絶対に禁物、と
心に言い聞かせ、泣くなら旅立ちを見届けてから
いくらでも泣けばいい、と感情を固めていた
毎日でしたが、梅の花を観ながら峠道を下る時だけは
固めた感情が少しゆるむのを自身に許したような気がします
いくらでも泣けばいい、は本当にその通りに
なったようで、あれからまる9年が経とうと
してるのに今もまだ、折りに触れてはポロポロと
涙が流れてどうしようもない時があります
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