日も良くて友と語らふ菊花展 2019-11-25 | 花の俳句 玉砂利を踏み踏み廻る菊花展 感歎の顏の近づく菊花展 白菊に惹かるる人も菊花展 菊花展みんなで記念写真かな 顔ほころばせ香を貰ふ菊花展 一鉢に深山幽谷菊花展 出品の怠りのなき菊花展 一献に揺るる名残や菊花展
うしろ手を組んで散歩や小六月 2019-11-24 | 冬の俳句 果物の並ぶ店先小六月 駐車場に猫のくつろぐ小六月 小春日や猫のくつろぐ駐車場 チャンポンの盛り上がる具や小六月 駅ホーム影くっきりと小六月 通りすがりの温泉や小六月 温泉の説明書や小六月 バカボンのパパ人形や小六月
休まぬ自販機勤労感謝の日 2019-11-23 | 冬の俳句 ガードを潜れば勤労感謝の日 鳩の寄り来たる勤労感謝の日 縄暖簾くぐり勤労感謝の日 ほろ酔ひ二合の勤労感謝の日 おむすびの温み勤労感謝の日 散髪すませて勤労感謝の日 即席のスープ勤労感謝の日 するっと改札勤労感謝の日 ロボット活躍勤労感謝の日 濯ぎものなき日勤労感謝の日
家々のひっそりとして冬めきぬ 2019-11-22 | 冬の俳句 人影の乏しき畑や冬めきぬ 枝々の細き陰して冬めきぬ 閉じゆくからくり時計や冬めきぬ 夕暮の電車過ぐ陰冬めきぬ 冬めきて朝の珈琲マグカップ 冬めきてズボンに足の入れずらき 冬めくやズボンに足の入れそこね 昼時の大衆食堂冬めく 冬めくや輪の小さくなる立話
若き日の激しき恋や柘榴の実 2019-11-21 | 恋の句 実柘榴に馳せる宇宙のビッグバン 爆ぜ柘榴なぜに火星は滅びたか 無数の火の玉のごとく柘榴生る 青空と熟れし柘榴の寓話かな 実柘榴やワインの貯蔵二千本 柘榴爆ぜ忘れてたこと思ひ出す 実柘榴や激しき恋をまう一度 実柘榴の転がり出たるふどしかな