昨日の投稿でも触れた882Oバランサーのネジの締め具合ですが、その日の自分の調子によってベストな締め具合が違うということを書きましたが、自分の調子以外にも演奏する部屋の響き方によってもベストなネジの締め具合が違うようです。この数日の検証では、広くてよく響く部屋ではネジをキツく締めた方が良く、逆に狭く響かないデッドな部屋ではネジを緩めにした方が良さそうです。もっと具体的に説明すると、広く響く部屋では、ネジをキツく締めることによって、主管近辺での響きが抑えられることにより、硬質でブライトな力強い音色となり、部屋全体を響かせることが出来ます。その反対に、狭く響かない部屋では、ネジを緩めて抵抗を弱め、主管近辺で響きを解放する(響かせる)ようにすることにより、柔らかくて太い音色となり、耳ざわりの良いソフトな音色となります。おそらく、他人に聞こえる音としては、それ程の差は無いのかもしれませんが、吹いている本人にはネジの締め具合の違いによる音色、吹奏感の違いはかなり大きく感じます。特に狭く響かない部屋で吹く時にネジをキツく締めていると、もの凄く強い抵抗感があり、吹きにくく感じます。
更にネジの締め具合では、以下の画像のような締め具合と、
こちらの画像とでは、
2番目の画像の方が1/8回転(3mm程度)だけネジを緩めているのですが、たったこれだけの違いでも音色、吹奏感は随分と違います。
「そんな、3mm程度のネジの締め具合で音色は変わらんでしょ!」と思う人もいると思いますが、697Zという楽器は繊細な楽器なので、ほんのちょっとした調整の違いだけでも音色、吹奏感に影響するんですよねぇ。それだけに、とても繊細で微妙な表現を出しやすい楽器とも言えます。そんな所が僕が特別に697Zを好む理由です。このような繊細さは残念ながら現行モデルの897Zでは薄れてしまっています。
ネジ締めのたった3mmの違い(本当は1mmでも違いますが)にこだわる所は、やはりマスタリングエンジニア気質の部分が影響しているのかもしれませんね。実際、マスタリングの仕事では、顕微鏡で音を見るような非常に微妙な音質調整が必要ですからね。
引き続き、ネジのベストな締め具合について研究します。
夏休みは無いけど、今年の夏の自由研究テーマです。
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