Sliding Cafeマスターのブログ

中国製管楽器その5(喜望峰)

喜望峰プロデュース’Finale’ブランドの金管楽器試奏レポートの続きです。

《フリューゲルホーン》
試奏したのは、サテンゴールドプレイトというなんとも豪華な仕様。ピストン良好、メッキの仕上げも実に丁寧で美しい。僕が所有している台湾製の某メーカーのものよりも吹きやすかったです。ゴールドプレイトの影響が大きいと思いますが、フリューゲル特有の太く柔らかい音色プラス、芯と艶のある音で良いですね。価格はなんと8万円!!サテンゴールド加工、日本国内工場だと30万円くらいかかりますからね。破格値です。

《アルトトロンボーン》
これは、最近スローカーモデルで有名なドイツのK&●社製の完全コピーモデルですね。これもやはり本家本元は吹いた事がないので、比較はできませんが、音色はとてもクリアー、スライドコンディション良好、倍音の狂いも無く音程も取りやすい楽器です。これで価格は6万円。素晴らしい!!次回もう少しじっくり時間をかけて試奏しようと思います。

《F管バルブ式アルトロンボーン》
バルブ式のアルトトロンボーンというだけでも珍しいのに、しかもF管!(普通アルトはEbが主流)とっても不思議なサウンドのする楽器でした。ベルはトロンボーンの形なので、フォルテの音色はトロンボーンのようでもあり、でも音域は高いしバルブ式なので、フリューゲルホーンのようでもあり、摩訶不思議なサウンド。とても面白い楽器ですが、使用できる音楽、編成が難しそう。確かジャーマンブラスのトロンボーン奏者エンリケ・クレスポ氏が、バッハの曲の演奏時に持ち替えで吹いていたように思います。ロータリートランペットとの相性は、通常のスライド式アルトトロンボーンより良いかもしれませんね。

《スーパーボーン》
ある意味、今日一番楽しみにしていた楽器。もちろんスーパーボーンを吹く事自体、今日が初めて。予想どおり、これは「飛び道具」ですな。まともに音階すら吹けませんでした。バルブ装着のため、スライドが通常のトロンボーンより遠い(つまり1ポジションの位置が遠い)ので、スライドで正確な音階を吹くのは不可能に近いです。どうやら基本はバルブ操作で、スライドはトロンボーンらしさを演出するためのグリッサンドやポルタメントを入れる場合のみの使用と考えた方が良さそうです。やはりトランペット奏者の持ち替え楽器ですね。

《フリューガーボーン》
フリューゲルホーンの1オクターブ下的な楽器でしょうかね。確か米国に本家本元の製造メーカーがあったような気がします。音色はフリューゲルホーンのような柔らかい音色というよりも、バルブトロンボーンに近い感じ。管の巻きがコンパクトなので、バルブトロンボーンを使うつもりなら、このフリューガーボーンの方が演奏しやすそうです。ただ、この楽器を使用できるシチュエーションはなかなか難しそう。


今回、試奏させていただいた喜望峰の社長さんはじめ、スタッフの方々とても気さくに対応していただいて、とても楽しくほぼ全種類の金管楽器を試奏できました。最近の中国製管楽器のクオリティーは良いと言われる中、特に喜望峰プロデュースのFinaleブランドのクオリティーは非常に高いと思いました。何より喜望峰さんの販売姿勢が本当に素晴らしい。安価なものを輸入して単純に販売している業者とは訳が違いますね。社長さん自身が中国に出向かれて、確かなクオリティーの楽器を見極め、しかもその楽器をリペア専任スタッフが時間をかけて調整してから販売されているそうです。

ただ、価格があまりにも安いので、どうしても「安物の楽器は云々」というひと昔前の中国製楽器の粗悪なイメージが付いてしまうんですが、そういう先入観なしに試されると良いと思います。少なくとも僕的には、最近の米国の大手大量生産系管楽器メーカー製のものよりも良い印象を持ちました。

喜望峰プロデュースのFinale、最近各方面から注目されているようで、試奏に訪れるプロ奏者も多いそうです。僕も自信を持ってお薦めできる管楽器ブランドです。

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コメント一覧

マスター
喜望峰の楽器について
はじめまして。コメントいただきましてどうもありがとうございます。

喜望峰の管楽器はその価格からは信じられない素晴らしい楽器だと思います。

さて、ご質問の件ですが、
まず細管テナーTb。ゴールドプレートを何回か試奏した事はあります。価格は確か8万円で、その価格からすれば十分なクオリティではありますが、正直、現時点では僕が仕事で使ってみようかなと思える程ではありません。細管テナーTbに関しては、本当に良いと思える楽器は中国メーカーではまだ作れていないようです。ですが、今中国のとても優秀なメーカーに細管テナーTbの開発を依頼しているところで、その試作器が出来てくれば僕もいろいろアドバイスをして完成度を高めていく予定です。ですので、細管テナーTbはあと半年~1年後にはとても素晴らしい楽器が完成するはずです。

太管テナーバスTbですが、僕は先日セイヤーモデルを購入しました。これは僕が今まで使ってきた楽器の中で一番素晴らしい楽器だと思います。現在、レコーディング仕事などで使用しています。価格は20万円以下。このセイヤーは僕の一押し。

バストロですが、キングタイプ、ゲッツェンタイプを試奏しました。入荷する楽器によってかなり個体差がかなりあるようです。良い楽器の時はとても鳴らしやすいのですが、悪い楽器の時は響きが固い感じでした。バストロも現在ダブルセイヤーモデルを開発中です(完成時期はまだ未定)。僕はこの開発中のダブルセイヤーに期待しています。

ロータリーチューバは僕が喜望峰で一番最初に買った楽器です。太い音というよりもコンパクトで芯のある音といった感じです。とても楽に鳴らせる楽器です。

中国メーカーの楽器製造技術はどんどん良くなっているようで、今年に入って入荷した楽器は更にクオリティーが上がっています。また、いろいろ自分好みの仕様(メッキ仕上げ、金属材質など)のオーダーも出来るので良いですね。
ゆふぉ
中国製管楽器(喜望峰)
はじめまして。ユーフォニアムとトロンボーンをやっている「ゆふぉ」と申します。


喜望峰のトロンボーンのマウスピース「だけ」購入して使ってます。
低コスト(\3500)なのに仕上がりがものすごく良くて吹きやすいです。

ブログを見ていると、喜望峰の楽器、大変よさそうで気になりますね~。
細管テナーTb、太管テナーバスTb(オープンラップ・セイヤー)、バストロ、チューバが特に気になります。

他にも、コンペ式バリトン、コンペ式ユーフォ、フロントベルバリトン、アルトホルン、
アルトTb、F管バルブ式アルトTb、フリューガーボーン、スーパーボーン…スーザフォンまであってすごいと思いましたね。


突然で申し訳ないのですが…
先にあげた4つの楽器について、詳しく教えていただきたいです。お願いします。
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