Sliding Cafeマスターのブログ

向井滋春/Pleasure(1980年)

向井滋春さんといえば、日本のジャズ・トロンボーン界に多大な影響を与えた方で、僕も中学生の時に初めて向井さんのレコードを聴いた時にもの凄い衝撃を受け、高校、大学時代はとにかく向井さんの吹き方の物真似ばかりやっていました。大学の学園祭では向井バンドのコピーもやったり、10代後半~20代前半は向井さんの影響を強く受け過ぎたため、20代後半からは自分の演奏スタイルをいかに’向井節’から卒業するかを一番の課題としていました。20代後半から急に向井さんを嫌いになったという訳ではなくて、いつまでも人の物真似ではダメだ、と思ったからです。今にして思えば、向井さんに師事しなくてよかったと思っています。もし向井さんに師事していたら、おそらく向井節から卒業できなかったかもしれません。

そんな向井さんのレコード、CDは今でもよく聴きますが、僕が一番気に入っているアルバムは「Pleasure」です。松岡直也さんプロデュース、1980年ニューヨーク録音です。ドラムは、なんとスティーヴ・ガッドです。ライナーノーツには、松岡さんのカッチリと決められたアレンジに縛られて、向井さん自身は本来の自由奔放で豪快なプレイが全く出来なかった、というような趣旨のことが書かれていますが、僕はむしろ松岡さんの綿密に計算されたアレンジにより全体のサウンドの色彩感、メリハリが素晴らしく、より向井さんのトロンボーンの魅力が引き出されたアルバムだと思います。いわゆる80年代フュージョンサウンド(死語?)ですが、松岡さんのアレンジ、参加ミュージシャンのプレイが素晴らしいので(特にスティーヴ・ガッド)、今聴いてもそれほど古くささや恥ずかしさ(概して80年代フュージョンを今聴くと恥ずかしいものですが・・・)は感じません。

プレジャー
向井滋春,松岡直也,ウォーレン・バーンハート,ホルヘ・ダルト,川崎燎,ジェフ・ミロノフ,ニール・ジェイスン,スティーヴ・ガッド,ラファエル・クルス,ナナ・ヴァスコンセロス
日本コロムビア


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コメント一覧

マスター
滋春さん
私としたことが、向井さんの名前の変換ミスを犯すとは。。。(*_*)

直しておきました。
だぬちゃん
おそれながら・・
いつも拝見しております。
慈春さんではなく、滋春さんですよ。
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