
すでにある花に似た新たな花に葉の形をつけてネーミングし、それが和名となっている例は数多い。
ウンラン(海蘭)ゴマノハグサ科ウンラン属(Linaria)という、まさにランを思わせる、日本に自生する花がある。
ツタバウンランは地中海原産の帰化植物でツタバウンラン属(Cymbalaria)オオバコ科(以前はゴマノハグサ科)学名 Cymbalaria muralis(シノニム Linaria cymbalaria)である。
マツバウンランは北米からの侵入植物でマツバウンラン属(Nuttallanthus)ゴマノハグサ科というように、学術的にはまったく違う植物で、どれも「ウンラン」の品種ではない。
一方、同じく外来種である、
ルコウソウ(Ipomoea quamoclit)ヒルガオ科サツマイモ属は糸状の葉を持つのに対し、
マルバルコウソウ(Ipomoea coccinea)ヒルガオ科サツマイモ属は、その仲間で葉が大きく丸いという特徴で区別されている。
ルコウソウが園芸種として認知されているのに対し、マルバルコウソウは雑草で侵入植物とされているが、ルコウソウと交配されハゴロモルコウソウを生んでいる。ハゴロモルコウソウは「ルコウソウ」の品種とも言えるが、マルバルコウソウは仲間ではあるが品種ではない。