『空は逃げない』まはら三桃01(小学館2019/9/16)
佐藤倫太郎と佐藤林太郎。二人は同じ大学陸上部の棒高跳びの選手。
周囲からは紛らわしいと次第にA太郎、B太郎と呼ばれるようになっていた。
方や平凡な記録保持者、方や全国レベルの花形選手の二人の前に練習風景を熱心にスケッチしていた
芸術学部の石井絵怜奈が、突然、自分も棒高跳びの選手になりたいと志願した。
そんな3人の前にある日大きな転機が訪れる。
大学時代と数年後の現在、ふたつの時代を往還しながら、物語は次第に思いもよらぬ場所へと読み手を誘う。
・余裕や謎は、不安をあおる P9
・経済と経験は世界を狭くする P19
・会心というのは、一流の人間しか体験したことがない感覚 P40
・好きなものを生業とするには、
正しい努力と強い心とそれらをコントロールする力、そしてなにより体力が大切 P85
・必死に体を動かしているうちに、ポジティブな気分になってきた。
メンタルとフィジカルは分かちがたくつながっている(略)
心が弱ってしまったときには、無理にでも体を動かしてみると、気分が変わるのは本当だ P99
・芸術は人に元気を与える P119
・痛い思いをした人間は嘘を言わない P145
・人間の脳は、楽が好きなのだ。苦痛よりも快感を好む。
そのうえ早合点だ。使わないなら必要ないと理解して、機能は退行を始め筋肉は衰える(略)
毎日苦しい練習をするのだ。そして苦痛の果てに進歩を見出す P179
・運命が決まっていてもいなくても、人は努力でそれをつかみ取るしかない。
精一杯の努力をしてやっとたどり着くのが天分P191
・やってみたからわかったこと P217