『京都下鴨なぞとき写真帖2 葵祭の車争い』柏井壽02(PHP文芸文庫2019/5/22)
京都の老舗料亭の当主の朱堂旬は「番頭に仕事を任せて遊んでばかり」と周囲には思われているが、実は人気写真家の金田一ムートンとして、葵祭、祇園祭、十日ゑびす、人形寺や紅葉の名所等、京都の風物を撮影していた。彼のカメラが捉えるのは景色だけではなく、訪れる人々の秘めた悩み。『松葉』のにしんそばなど京都グルメでその心を癒しながら、ムートンは彼らの問題を解きほぐしていく。シリーズ第2弾、
『大路の紅葉』『十日ゑびすの壺』『人形寺の雛人形』『葵祭の車争い』『祇園祭の無言詣』5話連作短編集。
・口は使ても、金は要らん。あんじょう口を使わんともったいない P8
・妻を亡くした男性は、後を追うようにして逝くことが多い P40
・見た目が地味なものほど美味しさが籠っている P178