『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤(ダイヤモンド社2019/6/11)
大手自動車メーカーのトキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は大型買収案件に異を唱えた結果、
横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することになった。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも今は成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋がアストロズの再建と日本ラグビー協会の再生に挑む。
・計画通りに進めば（略）
楽なことはないが、実力でどうにかなるものもあれば、運不運に翻弄されることもある P31
・成功する者もいれば、どれだけチャレンジしても頂点を極める事ができない者もいる P68
・経験ではその多くが心配しても始まらないものばかりだった。
肝心なことは全力を尽くすことであり、あとは天命を待つしかない P93
・本気ってのは、相手に伝わるもんなんだよ P128
・大事なのは、どうあるべきかを正しく判断することだ P132
・一旦、バラバラになった心をまとめるのは難しい P150
・逃げ回ってるより、ぶつかっていく方がずっと簡単なんだよ P275
・善と悪が入れ替わるというより、
人間の感情は本来、二元的なものではなく、色でいえばグラデーションに近いのかもしれない。
その細やかな傾斜や配分は、様々な環境や出来事によって色合いを変え、
その人ならではの、独自の色調へ変化していくのではないか。
誰もが常に善人でもなく、また悪人でもない。
だから人は変われるし、組織だって変われないことはない P331
・劣勢にあるときこそ、真の力が試されるのだ P381
・危機感さえあれば、変われない組織はない P399
