エンクロージャー材料としては、12mmのMDFボードを使用しました。
何とか、ほぼ予定した通りに製作することができました。組み立て後の外観画像を示します。塗装は周波数特性評価を行なってから行なう予定です。
〈製作したバックロードホーン〉
早速、作製したばかりのBLH PL-lineの特性を測定してみました。吸音材は入れていません。
まずは、ユニット軸上30cmでのSPL の周波数特性、及びインピーダンスの周波数特性を調べました。
〈SPLとインピーダンスの周波数特性; 吸音材無し; 1/12oct smoothing〉
SPLの周波数変化は、吸音材を入れていませんが、シミュレーションと概ね類似していました。SPLレベルは少し下振れ傾向にはありますが比較的平坦で、また約200Hzや450Hzでのディップの位置や深さも大凡合っています。しかし、最低音域でのSPLは70Hz近傍から急速に小さくなっており、シミュレーションの55Hzとは約15Hz程の違いがありました。このように、実際とは違う所もありますが、シミュレーションはバックロードホーンの設計には欠かせない手段だと感じました。
なお、スピーカユニットPM-M0841CKの欠点と思われた11kHzでの音圧ピークは、このユニットでは比較的低く抑えられています。ユニットによって少し個体差があるようです。
一方、インピーダンス変化を見ると、インピーダンスの谷は、約76、165、281Hzの所にあり、多少のズレはありますが、それぞれ基音、2倍音、4倍音の共鳴に相当していると思われます。今回のパラボリック形状であっても、典型的なバックロードホーンの共鳴特性になっているようです。
次回以降、もう少し詳細にホーン挙動を検討したいと思っています。
〈続く〉