銀座平野屋女将日記

銀座平野屋210年のあゆみと老舗女将の嫁日記

続・久々のフレーズでーたばこ入れ(その9)

2022-02-16 | 日記

 [おしらせ]銀座平野屋Hp(新ver)こちらです→

 

皆さま。おはようございます。

大雪が降る予想の連休とバレンタインデーも無事(?)終わったので。。。

大変おまたせいたしました!

今日の記事は、前回のたばこ入れと同時にご紹介したかった

「年末の片付けの逸品」です←こういう名前のものじゃありませんよー

 


 

銀座平野屋には普段お客様の目にはふれないけれど、素敵なものが数々ございます。

それは江戸からの粋を伝える物であったり、先人の技や美を伝えるものであったり様々です。

その中で銀座平野屋には、先人の技が光る逸品もございます。

 

 

『植物紋古渡更紗地 利休形たばこ入れ』

(上)叺(かます)

(下)きせる筒

 

銀座平野屋でお馴染みの古渡更紗で仕立てられた

(右)タバコ入れと(左)キセル筒です。↑写真の色が少し暗めです

 

✳︎「叺」と「きせる筒」を合わせて「たばこ入れ」と言います。
 叺もきせる以外の、刻みたばこや火打石などの道具を入れるため
「たばこ入れ」ということがあります。
同じ名前からくる混同を避けるため、上の形状の袋を「叺」としています。

 

中央の金具のような部品は「コハゼ」といいます。

これで止められるようになっています。

ちゃんとカチッと止められる金具がしっかりついています。

(写真を撮ってないので、お見せ出来ずごめんなさい)

これも当時の職人の素晴らしい仕事です。

 

 
このタバコ入れは当時の茶人が好んだ「利休形(りきゅうがた)」と言われる単純な四角い形の嚢物(ふくろもの)です
 
茶道をする方が持っている数寄屋袋にちょっと似てますが、
数寄屋袋よりも小ぶりで、細長いですよね。
 
 
 
 
 
細長い筒状の袋は、たばこを吸う為の道具である煙管(きせる)を入れる袋です。
「きせる筒」と言います。
 

筒状のきせる筒と、叺はお揃いの布で作られていますので、

当時の珍しい古渡更紗を愛でたい!とこだわって作られたのかなあと思います。

 

エキゾチックな生地の小物を持って

こだわりのお洒落を演出していたんですね。

 
 
 

 

「たばこ入れ」については、

過去の女将ブログでも度々紹介しておりますので、

是非ご覧ください!

★以前の記事はこちらから
→(その1)(その2)(その3)(その4):「利休形たばこ入れ」
→(その5)(その6):「阿蘭陀甲比丹裂 筒差 莨入」について。
→「鉈豆型煙管入」について
→「煙草ケース」(その1)(その2)について。

 

 

久々に銀座平野屋らしい記事を書く機会に恵まれ、

大変嬉しかったです!

また先人の素晴らしい逸品をお見せできるといいなあ。

 

 

さて最後にお知らせです。

3月2日より熊本鶴屋にての催事が決定しました!

近日中に詳細をお知らせできると思いますので、

今しばらくお待ちくださいね!