銀座平野屋女将日記

銀座平野屋210年のあゆみと老舗女将の嫁日記

エキゾチックの粋ー古渡印度更紗「唐花」紙入ー

2018-04-13 | 日記
銀座平野屋には普段お客様の目にはふれないけれど、素敵なものが数々ございます。

それは江戸からの粋を伝える物であったり、先人の技や美を伝えるものであったり様々です。

その中で銀座平野屋には、先人の技が光る逸品もございます。




『古渡印度更紗「唐花」紙入』縦10×横16.2×マチ1.5cm



これは古渡印度更紗の生地を札入(紙入)に仕立てたものです。
古渡更紗はこの女将ブログでもたびたび登場しておりますが、
地の色はクリーム色に古色を帯び、型押しの草花模様に金の彩色が見られ、いにしえの南国を思わせるゆったりとした趣が感じられます。



窓際で撮影しました。金のキラキラ感が伝わるでしょうか。

銀座平野屋ではこの生地を、先代社長の書き付けにより「白地蔓唐草金更紗(しろじかづらからくさきんさらさ)」と呼んでおります。


札入(紙入)などの縁の部分を嚢物用語では「玉縁(たまべり)」と称します。
通常、玉縁に用いる革は丈夫で、さまざまな材としっくりするところから馬皮を用いたそうです。
この作は、そうした玉縁の手本ともいうべきものの一つと聞いております。


茶色の縁が分かりますでしょうか。これが「玉縁」です。


こんなにも素敵な札入をどんな人が所持していたのでしょうか。
エキゾチックな逸品。きっと自慢の品だったのでしょうね。


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