この「銀座平野屋女将日記」のブログを書くにあたって、
いろいろなインターネットの記事を見ます。
色々ありますねえ。
思わずやってしまうのが「難読漢字クイズ」。
そこで今日の記事は「銀座平野屋★難読漢字クイズ」です!
銀座平野屋でよく使われる漢字ばかりです。
では行きますよー。
Q 【袋物編】次の漢字を読みましょう。
1 印伝 2 古渡更紗 3 酒袋
4 金唐革 5 天襠
銀座平野屋で扱っている袋物の漢字なので
見たことあるぞーと思われるかも。
読めそうで読めないのが3、4でしょうか。
ちなみに 「3 さけぶくろ」「4 きんからくさ」
ではありません!
では答え合わせでーす。
1 いんでん 2 こわたりさらさ 3 さかぶくろ
4きんからかわ 5てんまち
…いくつ読めましたでしょうか。
さて、解説。
1 印伝(いんでん)
印伝と言えば、鹿革に漆を付着させた甲州印伝が有名ですが、
銀座平野屋で扱う「江戸印伝」は鹿革に型紙をつかって染め、袋物に仕立てています。
以前、雑誌『和楽』でも取り上げていただきました。
小学館『和楽』2014年6月号より
こちらは先日のSTAGE 銀座で展示いたしました。
正倉院 獅子狩文錦(ししかりもんきん)の生地に印伝のかぶせの抱えタイプのバッグです。
三つ鱗に菖蒲の図柄です。菖蒲は「勝負」につながる武家らしい柄です。
戦前の珍しいバッグです。
「江戸印伝」のバッグ。縁起のいい「とんぼ(=別名、勝ち虫)」柄です。
この他に銀座平野屋では耳かき袋(耳かきは象牙製)も江戸印伝でお作りしております。
2古渡更紗(こわたりさらさ)
16世紀末頃より17〜18世紀に掛けて日本に輸入された、
インド、ジャワをはじめタイ(シャム)、ペルシア、ヨーロッパ製も木綿の模様染めの総称です。
その技法は主としとして手描き、木版、鑞防染によるものです。
今日では、日本への輸出品に限定せず、これらの地域で作られたこの種の染色品を広く「更紗」と呼んでいます。「古い」頃に「渡」って来た「更紗」ということですね。
(こちらもご参考に→★)
銀座平野屋所蔵の古渡更紗の裂(きれ)。
銀座平野屋所蔵の古渡更紗の裂帳(きれちょう。見本帳のこと)
古渡更紗を使ったバッグがこちら。
このバッグの裏。布地の使う場所で様々な表情があるのも、特徴ですー。
3 酒袋(さかぶくろ)
酒袋は、造り酒屋でもろみを入れてお酒を絞るのに用いた袋です。
平織りの厚手の布に、柿渋を乾かしては塗るという作業を繰り返し、丈夫な布になります。
(こちらもご参考に→★)
酒袋革佐賀バッグ
4 金唐革(きんからかわ)
イタリアルネッサンス期にフィレンツェで生まれた加工技術。
腰の強い箔を貼った革を型押しし、型出しは打ち出し模様にする事で
重厚で落ち着きのある色彩の革が出来ます。
日本にこの技術が江戸時代に入ってくると裕福な一部の人々に好まれました。
(こちらも参考に→★)
現代にその技術を蘇らせた「金唐革バッグ」
5 天襠(てんまち)
これ、和装小物好きでないとなかなか読めないですよねー。
和装小物に全く関係ない人に読んでもらったら、誰も読めませんでした!
天襠とは、上部(=「天」)にマチ(「襠」)のあるバッグのことです。
布地の特製を活かした為か和装バッグに多いようです。
皆さまはいくつ読めましたでしょうか。
5つパーフェクトなら平野屋通認定!
4つなら袋物好き認定!
このシリーズ、【袋物編】以外にまだ続くかもしれません!?
お楽しみにー。
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