銀座平野屋女将日記

銀座平野屋210年のあゆみと老舗女将の嫁日記

突然ですがクイズです!(その3)

2019-03-01 | 日記

さて。

突然ですが、クイズです!

 

これ何でしょう!?

 

抹茶がけのチョコレートケーキのカケラに見える

と言った人がいますが

違います!

 

正解は『堆朱』です。

ついしゅと読みます。

以前のクイズでも出題しているので、

覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

 

『堆朱』は古代中国で始まり、宗の時代に盛り上がりを見せました。

日本には平安時代末頃に伝来し、

室町時代頃に本格的に作られるようになった技法です。

土台の板の表面に漆を塗り重ねて層を作り、模様などを彫ります。

漆を塗り重ねる工程は時間がかかり、

硬く乾いた漆を加工するのは大変難しいのです。

表面が朱色のものを「堆朱」、黒いものを「堆黒」といいます。

 

銀座平野屋には、この堆朱で作品を作った昭和の匠・小野澤昌山さんの作品が

数々あり、堆朱工芸の素晴らしさを見ることができます。

 

合わせて、上の写真のような堆朱のかけらがいくつかあり、

その工程の難しさを見ることができます。

 

 

 

上の堆朱は、色漆を何層にも重ねて最後に濃緑の色漆を重ねたものです。

側面に色漆を重ねた層が見えると思います。

 

こちらは側面を写したものです。

 

 

通常の色漆は一層なので、このように↓なりますが

 

色漆の塗り重ね方で、色々な表情がでます。

光の加減で分かりづらいですが、凹み部分に色の層が出ています。

 

幾重にも重ねられた色漆の輪。

中心に穴が空いているのは、制作過程で空いたものです。

非常に硬い堆朱にこれだけの穴を開けるのは、大変なことです。

 

漆の塊が、堆朱のかけらに表情をつけているようです。

何か作品を作ろうとしたのでしょうか。

柿の実のヘタのようなかたまり。

これも堆朱です。これも何か作品を作ろうとしていたのでしょうか。

 

 

これらの堆朱のカケラは、小野澤昌山さんより頂いたものと聞いております。

昌山さんの作品制作の一端を見られるものです。

大切にしたい素晴らしいかけら達です。

 

素材に注目するのも面白いものですね。

 

✳︎以前の「突然ですがクイズです!」はこちらから→(その1) (その2)

 

 


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