さて。
突然ですが、クイズです!
これ何でしょう!?
抹茶がけのチョコレートケーキのカケラに見える
と言った人がいますが
違います!
正解は『堆朱』です。
ついしゅと読みます。
以前のクイズでも出題しているので、
覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
『堆朱』は古代中国で始まり、宗の時代に盛り上がりを見せました。
日本には平安時代末頃に伝来し、
室町時代頃に本格的に作られるようになった技法です。
土台の板の表面に漆を塗り重ねて層を作り、模様などを彫ります。
漆を塗り重ねる工程は時間がかかり、
硬く乾いた漆を加工するのは大変難しいのです。
表面が朱色のものを「堆朱」、黒いものを「堆黒」といいます。
銀座平野屋には、この堆朱で作品を作った昭和の匠・小野澤昌山さんの作品が
数々あり、堆朱工芸の素晴らしさを見ることができます。
合わせて、上の写真のような堆朱のかけらがいくつかあり、
その工程の難しさを見ることができます。
上の堆朱は、色漆を何層にも重ねて最後に濃緑の色漆を重ねたものです。
側面に色漆を重ねた層が見えると思います。
こちらは側面を写したものです。
通常の色漆は一層なので、このように↓なりますが
色漆の塗り重ね方で、色々な表情がでます。
光の加減で分かりづらいですが、凹み部分に色の層が出ています。
幾重にも重ねられた色漆の輪。
中心に穴が空いているのは、制作過程で空いたものです。
非常に硬い堆朱にこれだけの穴を開けるのは、大変なことです。
漆の塊が、堆朱のかけらに表情をつけているようです。
何か作品を作ろうとしたのでしょうか。
柿の実のヘタのようなかたまり。
これも堆朱です。これも何か作品を作ろうとしていたのでしょうか。
これらの堆朱のカケラは、小野澤昌山さんより頂いたものと聞いております。
昌山さんの作品制作の一端を見られるものです。
大切にしたい素晴らしいかけら達です。
素材に注目するのも面白いものですね。
✳︎以前の「突然ですがクイズです!」はこちらから→(その1) (その2)
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