9日、「エリザベート」の宝塚20周年 スペシャル・ガラ・コンサート(以下「ガラ・コン」)に行ってきました。
場所は、渋谷の文化村「オーチャードホール」。
タテに細長い劇場で、席は、後ろのほぼ端でしたが、見づらくはありませんでした。
出演者は、全員がOGのタカラジェンヌです。
この日は、元星組のフルコスチュームバージョン。
出演者が、それぞれの役の衣装を着て、マイクを片手に、コンサート形式で演じます。
全員がマイクを持ちながらで、本公演のような“動き”はないのに、幕開きから、一気に「エリザベート」の世界に引き込まれます。
懐かしい顔ぶれに、当時の星組の世界にタイムワープ。
「トート」役は、麻路さきさん、「エリザベート」役は、白城あやかさん。
現役時代、コンビを組まれていたお二人です。
全体的に、退団後、それぞれ積んできた人生経験が生かされているのか、個人個人の味が出ていて、現役時代よりも良くなっていたような気がします。
4人のお子さんをもつ、白城あやかさん。
我が子「ルドルフ」を亡くし、「トート」に自分の命を差し出す場面では、息子を助けてやらず、あげく死なせてしまった母親のつらさ、苦しみがひしひしと伝わってきます。
そして、麻路さきさん。
幕が開き、初めて「トート」が登場する場面の衣装がステキでした。
現役のときとは違った黒の衣装で、よく似合っていました。
「トート」を象徴する長い髪は、現役時代のままで、彼女にピッタリはまっていました。
今回、彼女にとって、ガラ・コンは2回目。
1度目は、10年前の2006年でしたが、その時に比べると、まず、歌が良くなっていました。
最初から最後まで、一音一音、ていねいに歌い上げていて、声量もあるし、低音の声が魅力的です。
さまざまな場面での表現は、10年前のガラ・コンや現役時代のときより、パンチがきいていたし、「トート」としての目つきや手振りも、相変わらず気を遣っていました。
10年前より、進化した「トート」を見せてくれました。
彼女の「トート」は、「エリザベート」に拒絶されて苦しんだりする、ちょっと人間くさいところがあります。
結局は、“死”としての冷酷さで「エリザベート」を追い込んでいくのですが、彼女の「トート」を見ていると、本当に「エリザベート」のことが好きなんだなぁと感じます。
それにしても、彼女は、迫力がすごい! 目立つ!
舞台に登場すると、劇場の空気が一瞬で変わる、そんな気がします。
現役のときから、それは変わりません。
スケールの大きい男役さんだな…と、改めて感じます。
他のメンバーのかたたちの力量も評価でき、元星組メンバーの得意な“団結力”で、すばらしいガラ・コンとなりました。
最後、主な出演者の“ごあいさつ”がありましたが、皆さん、感極まって涙ぐんでいました。
麻路さん:20年たって、この集まったメンバーでいっしょにできたことは、一生の思い出になります。
稔さん:20年前、星組がこの作品と出会って苦悩しましたが、やってきてよかったと、今日、本当に思います。
白城さん:ここにいるみんなに支えられて10年ぶりの舞台をなんとか務めることができました。
観客は、スタンディングオベーション!
残念なのは、この元星組バージョンが1回だけという点です。
“ぜひ、もう1回、同じメンバーで観たい”
追記:この日は、星組の元トップスター、峰さを理さんが観劇されていました。
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