「男女の関係において『恋』と『愛』とは存在のあり方が違うのではないでしょうか?
恋が、障害において燃え安定において冷めるものなら、愛は、人間の孤独から生み出され、人間の孤独によって育てられてゆくのではないかしら。
とはいえ本当のところは、私にもよくわかりませんわ。
恋と愛の違いだなんてとても難しくて。
ただ一般論として申し上げたまでで恥ずかしいですわ。
それに孤独とは多分、知能の高さや感性の違いによっても、感じる度合いがそれぞれに異なるのでしょうから。
ともすれば、どんなことにも慣れってありますでしょう?
慣れてしまえば孤独だって、そう悪くないかもしれませんわ」
「孤独に慣れなんてあるのかな?
もしあるとするならどれはきっと、感覚の麻痺だろうな」
小説「羊の群」より
God Bless You ❣