今年の夏はコロナ禍のためアルプス遠征は自粛。それならば冬に行こうか!ってことで準備を進めてきた。
ところが冬の到来とともにコロナが猛威を振るいだして行くか行かないかギリギリまで熟考したけど、最大限の対策をして行くことにした。
12月25日(金)
今回のメンバーは、冬山経験豊富な2人(Yさん、Nさん)と冬のアルプスデビューの2人(Kさんと僕)の4人パーティー。
目指す山は、唐松岳(2969m)と木曽駒ヶ岳(2956m)の2座。唐松岳は4人で、木曽駒ヶ岳はKさんと僕の2人で登る予定だ。
12月26日(土) 7時40分、フェリーは定刻より少し遅れて神戸港に入港した。部屋は運よく我々だけで独占できたから他人との接触は避けられた。
フェリーから下船したら一路車で白馬村へ。この日は登山口まで移動するだけ。
順調に車を走らせて長野に入ると、正面に白く輝く南アルプスの山脈が見えた。南国人だからこの景色を見ただけでテンションが上がる♪
松本市内を抜けて白馬村に近づくと景色は一変して正に雪国! 一面銀世界になった。
この日の夜は八方の駐車場で車中泊。近くに温泉も食事する店もたくさんあって便利がいい。
温泉に入ってから近くの居酒屋で成功を願って景気づけ。その後、Yさんのハイエースの中で4人で密に二次会(笑)
12月27日(日)
唐松岳のピークを今日目指すか、明日目指すか、天気の様子を見て決めることにしていたけど、この天気なら今日ピークを目指すことができそうだ。
まずはゴンドラとリフトを乗り継いで標高1840mの八方池山荘まで行く。標高が上がるごとに次第に風が強くなり、最後の第3リフトは登山者のみOKで、スキーヤーはストップになった。
八方池山荘に着いたら泊まり道具を預けたり準備を済ませて、9時10分いよいよ登山開始。吹雪の中を登り始めた。
歩き始めた途端に深雪に覆われた登りの斜面が続いて息が上がる。
天気は良いけどときどき体がよろめくような強風が吹き付けて視界がなくなることも。気温は低いのにバラクラバの下や服の中は汗でびっしょりだ。
先行者のトレースはあるもののそれでも一歩一歩踏み出す足が重たくて、たまに雪を踏み抜いて太ももくらいまで埋もれると、そこから抜け出すのに全身の力を使わなきゃいけないから疲労がハンパない。
いよいよこれ以上つぼ足は無理という所でワカンを装着。グローブを付けた手とゴーグルで視界を狭められた状況でワカンを装着するのは簡単じゃなかった。これも経験しないと分からないことでいい勉強になった。
あと、ザックを下してそこからモノを出すという動作がめんどくさい。だから飲み食いするのも簡単じゃなくて、結局、行動中ほとんど飲み食いできなかった。これも次回に向けていい経験になった。
写真を撮るのも一緒で、この景色を写真に収めたいと思った所でカメラを出せなくて・・・。
そんなこんなで思っていたより時間がかかって、標高2554m直前で13時を過ぎてしまった。
視界の先に唐松岳の頂上を捉えることができたけど、残りの時間と距離を考えたら頂上を目指すのは厳しそうってことで今回はここまで。
頂上まで標高差わずかに約150mというところで残念だけど下山を決めた。正直言うと残り時間だけの問題じゃなくて体力的にもあまり余力はなかったかな。
ピークに立つことはできなかったけど、幸い視界は良かったから冬山ならではの絶景を堪能できた。この景色を見られただけだけでも来た価値ある!(ホントは頂上に立ちたかった(^^;)
登るときは足下だけを見ながら登っていたから気付かなかったけど、下り初めると意外に急な斜面を登って来てた。
荒々しくてカッコいい不帰ノ嶮をしっかり目に焼き付けて、また来ようと誓った。
ネットの山行記録を見たりして、内心多分登れるだろうと楽観的に思っていたところがあったけど結果はそうではなかった。冬の山は天候などの条件で初級にも、中級にも、上級にもなるんだね。
今回は山頂に立つことは叶わなかったけど、ベテランのYさんやNさんから事前に聞いていた経験談を垣間見ることができて、正に百聞は一見に如かずの貴重な山行になった。
八方池山荘の部屋も我々だけ。冬の小屋は寒いだろうとダウンや厚手の服を持って来ていたけど、暖房がガンガンに効いてて布団なしで眠れるくらいに暖かかった。自分で行かないと分からないことをたくさん経験できた。
冬のアルプスの景色は夏とはまた違った美しさで登頂出来なくても達成感ある気がします。(登頂出来たら尚更ですが)冬のアルプス続編楽しみにしてます!
登頂できなかったからもう一度行く理由ができたと前向きに考えます。