音のない雨の
そぼ降る
朝
青灰色の空は
淡く、
ぼんやりと光を広げて
窓のそとには
立派な
クモの巣
透明な
クモの糸は
たくさんの雫を
たくわえて
重そうに
たわみ
豪華だけれど
繊細で
清らかで
妖精の
髪や肌を飾りそうに
美しくて
見つめて
そっと心に
しまう
思い出したように
カメラを持ってくれば
あんまりきれいで、
同じような写真を
何枚も撮ってしまうけれど
こうして見てみると
心にしまった情景の方が
うんときれいで
がっかりしたり
心のスゴさに思いを馳せたり
心にしまった
たくさんの思い出が美しいワケが
わかるような気がしたり
なないろの雨の
肌寒い
朝
の、ことでした
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