beauty and harmony

ひたくれなゐ



おじいちゃんの
盆栽のもみじはもう真っ赤なのに
なかなか色づかないなぁと思っていた
庭の楓が

いきなり冷え込んだ
朝、
一斉に真っ赤に染まっていて

言葉を失ってしまった



日当たり具合で枝に生じるブレもなく

一斉に
一気に
真っ赤っか



ああ、ひたくれなゐだ

目を閉じても
瞼のうらが

紅い



たくさん
ずっとずっと
眺めていたいと思ったのに

瞬く間に
ひらひら散ってしまって

もみじの刹那のきらめきに また、
言葉を失くす



桜のように
花火のように

つかの間
紅く紅く燃えたち

その身を捧げて
散っていく



もみじの
激しさと儚さに

圧倒されて立ちすくむ

ひたくれなゐの
秋の果て



死の側より照明(てら)せばことにかがやきて ひたくれなゐの生(せい)ならずやも
——齋藤 史











コメント一覧

ひるがお
なんと素晴らしい赤でしょう~
そうですね
このひたくれないという言葉私は初めてではないのです
どこかで見たような気がします
今日も終わりの紅葉を見てきました
私も心から自分が日本人であることをうれしく思いました
sukekaku5th
さおぺんさん、こんにちは~。
コメントありがとうございます。
はい、たぶん「ひた」は「ひたむき」と同じ意味合いだと思います。
ただの「くれない」より赤い色が胸に迫りますよね。
ひたハマりw
どうもありがとうございます^^*
__桐花
sukekaku5th
ボッコさん、こんにちは~
コメントありがとうございます。
スマホでコメント送信してるときに電話!ややこしいですね。こんがらがりそうです^^;
今年はなかなか色づかなかったのですが、ひとたび赤くなるとひと際 美しかったです。そして、ひと際 潔く散ってしまいました。
「我もまた ひたくれないに 照紅葉」
我もまた、と読んだときにぐっと引き込まれました。どうもありがとうございます。
__桐花
sukekaku5th
shimaさん、こんにちは。
「ひたくれなゐ」という言葉には、ひたむきで痛ましいまでの赤い印象があります。
ほかの赤い花や葉っぱでは思い浮かばないのですが、もみじの赤を見ていると「ひたくれなゐ」だと思うのです。つかの間の、燃え上がるような命の発露がそう思わせるのでしょうか。
モミジとカエデのご説明ありがとうございます。
わたしは春とか夏とかに青々したきれいなカエデが、秋に紅葉して赤くなったものを「モミジ」と呼ぶのだと思い込んでいました。同じ植物を、秋だけ特別な思いを込めて違う名前で呼んでいるのだと。
説明を読んで、改て写真を見てみると、うちのは葉っぱの切りこみが深いので、イロハモミジかもしれませんね。はじめて知った事実^^
カタカナ表記にはちょっとアンニュイなイメージを持っていて、場合によって好んで使うことがあります。
ブログを書くときはあまり考えず、そのときのニュアンスで使い分けているのですが、それでもわたしの文章はひらがなが多いでしょうか。あたたかく、やさしい雰囲気が好きです。
漢字もいいですね。モミジとカエデの場合、漢字で書くと「椛」と「楓」で、木へんに花と風。ステキですよね。
初夏のカエデの姿そのもの、秋のモミジの姿そのものという気がします。あ、それで、「もみじ」は「かえで」の秋の名前だと思い込んでいたのかも…?
「思いが優しく伝わるひらがなや情景が浮かび上がる漢字」という記述に、ああその通りだなぁと思い、そしてアルファベットしかない国などに比べると、なんて奥深く豊かな言葉だろうと日本語がますます好きになりました。
コメントどうもありがとうございました。
__桐花
saopen
ひたくれない(直紅)という言葉、始めて聞きました。一面の紅。
ひたは、ひたむき(直向き)と同じ意味でしょうか。なんとぴったりな言葉。
ひたハマりです!
ボッコさん
すみません 2つ 投稿してしまいましたm(_ _)m

コメントを書いてる時に 知り合いの人から 電話かかってきたりして ややこしかったですm(_ _)m
hinata_bocco
もみじ すごい綺麗ですね(・∀・)

「我もまた ひたくれないに 照紅葉」  ボッコ
hinata_bocco
もみじ すごい綺麗ですね(・∀・)

我もまた ひたくれないに 照紅葉  ボッコ
sukekaku5th
ショカさん、こんにちは~
一気に寒くなりましたね。
樹々がみるみるハダカに。ですよね。裏山から葉っぱがたくさん、たくさん降ってきます^^;
そうか…そうですよね、この季節、南関東はずーっと晴れて乾燥しますが、反対にふるさとは厚い雲に覆われていますね。
もみじが何本もある名所のようにはいかないですが、出かけていかなくても見られるのはうれしいです。
でも水辺のもみじを見に行きたかった~
__桐花
sukekaku5th
だんだん様、こんにちは。
史さんは2.26事件でお父さまが実刑を受け、幼馴染みが反乱軍の将校として銃殺されているんですよね。
この短歌は、その境遇というか…そうした人生を駆け抜けてきた人の歌だなぁと切なくなったり、背筋が伸びるような気持ちがしたりもします。
揺るぎないシンパシー、ですね。
史さんのお歌にわたしの写真…と思うと気が引けますが、ドンピビャはまると感じていただけてうれしいです。どうもありがとうございます。
__桐花
sukekaku5th
まささん、こんにちは。
からくれなゐ!
そちらはわたしも久しぶりに聞きました^^; どうもありがとうございます。紅葉を歌った歌にありましたよね。
からくれなゐに 水くくるとは…
__桐花
sukekaku5th
赤石さん、こんにちは。
染まりました。あまりに鮮烈で、息を呑んでしまいました。
ほんとうだ、幹も赤っぽくなってますね。玄関部分が赤レンガなので、それも赤く見えて。
つかの間の美しさだからこそ惹かれるっていうのが、日本人のDNAにはある気がします。桜も花火も。凍てつく冬を前に命を燃やして潔く散っていく感じが、紅葉も同じで魅せられるのかもしれませんね。
「さりげなく振る舞うのに、心侘しい」 ほんとうに…
コメントありがとうございました。
__桐花
sukekaku5th
tadaoxさん、こんにちは。
どうもありがとうございます^^*
齋藤 史さん、好きなんです。ほかにもブログに書いてるかも?と思ったらひとつだけありました。
大好きな「岡に来て両腕(もろうで)に白い帆を張れば風はさかんな海賊のうた(https://blog.goo.ne.jp/sukekaku5th/e/a4b1e0c41d09eea36a1c7ac5c9cc9680
ほかにも「野の中にすがた豊けき一樹あり風も月日も枝に抱きて」とか。
史さんは2.26事件でお父さまが実刑を受けたり、幼馴染みが反乱軍の将校として銃殺されたりして、激動の、ヒロイックな人生を生きた人なんです。
__桐花
fumiel-shima
桐花さん、おはようございます。

本当に綺麗ですね。
まさにこれぞ「ひたくれなゐ」というような紅色ですね。

この芯まで赤く染まったようなモミジを「ひたくれなゐ」と表記する桐花さんの繊細な感性に今日も感動しています。
「ひたくれない」でも「直紅」でもなく、やはり「ひたくれなゐ」なんでしょうね。

冒頭の
>おじいちゃんの
盆栽のもみじはもう真っ赤なのに
なかなか色づかないなぁと思っていた
庭の楓が・・・

この部分に「もみじ」と「楓」を使い分ける繊細な心・・・
「楓」を「カエデ」としなかったところにただの植物としてだけではなく、常に自分の仲間のような気持ちで観てきた桐花さんの愛情のようなものが表れているように思いました。

モミジとカエデについてはいろいろな説明や使い方なども語られることも多いようですが、私が今見た説明の一部に下記のような文章がありました。

『実はモミジもカエデも、どちらもムクロジ科カエデ属の広葉樹(落陽高木)の総称で、植物の分類上は同じです。
モミジとカエデは、葉の見た目で使い分けています。
葉の切れ込みが深い楓を「〇〇〇モミジ」、葉の切れ込みが浅いカエデを「〇〇〇カエデ」と呼んでいます。
例えば「イロハモミジ」「ハウチワカエデ」です。』

これを単純にあてはめると桐花さんのモミジは「イロハモミジ」なのかもしれませんが、

>目を閉じても
 瞼のうらが
 紅い
というこの情景を想像して桐花さんの瞼の中に無断でこっそりと入ってみるとやはり「モミジ」ではなく、強くもあり、儚いイメージをも表す「もみじ」という表現と「ひたくれない」ではなく「ひたくれなゐ」と表した桐花さんに敬意を表したいと思いました。

動植物名を、学術的名称として使う場合には、カタカナで・・というのが一般的なようですが、動植物に気持ちを傾けたり、その声を聞く・・という意味ではやはり思いが優しく伝わるひらがなや情景が浮かび上がる漢字の表記がしっくりときますね。

今回は「もみじ」の声も聞こえてきましたよ。
tsn24502
桐花さん、こんばんは~。
らしい気温に。
みるみる樹々はハダカに。
南関東は乾季に入って、屋内で過ごす分には暖かい。
ふるさとの厚い雲がなつかしい。

きれいに染まったね~♪
身近にこんな見事な紅葉が楽しめるなんてうらやましい。

ショカ
だんだん
記憶違いでなければ、斎藤史さんのお身内の方が二二六事件に深く関わりのある方で、おそらくその方への思いが強く表現されたお歌ではと思います。思想に殉じて向うの世界に逝かれた方が、自らの短い人生に決して悔いはないのですと紅葉に託して詠んでいらっしゃる。詠者のまぎれのない、揺るぎのないシンパシーに心打たれます。このお写真の紅葉にドンピシャはまります。ありがとうございます。
まさ
sukekaku5th さんへ
久しぶりに聞いた「ひたくれなゐ」と、「からくれなゐ」の違いなどが気になって少し調べています。(まさ)
赤石
こんばんは~
見事に真紅に染まりましたね。
木の幹も反射光で微妙に紅く染まり、地面に紅く散り積もったもみじと本当にひたくれなゐの言葉がぴったりです。
わたしも近場にもみじを見に行きました。

一瞬にして真紅に染まり人の心を高揚させて全うし、直ちに散って行く。
さりげなく振る舞うのに、心侘しいですね。
s1504
〈桐花〉さん、こんにちは。
今回も素晴らしい詩と写真を堪能しました。
斎藤史さんという歌人を知りませんでしたので調べてみます。
sukekaku5th
あおぞらさん、こんにちは。
日本語って、ほんとうに美しいですよね。
外来語はおしゃれなイメージがあるのでしょうか。氾濫してて侵食してて、なんだか悲しくなります。
キレイな音だなって思ったり、時と場合によって英語の方が気持ちが伝わることもありますが、やっぱり日本語に心惹かれるわたしです。外国に住んでから気づいた部分も大きいのですが^^;
そうなんです、わたしも今年の紅葉は「なんだかなぁ」って思っていて、それがある朝、一斉に真っ赤になっていて、息を吞みました。
自然のなせる様…ほんとうに、そうですね。どんなに科学が進歩しても、いい意味でも悪い意味でも自然にはかないませんね。
ここ数日、すごく寒いです。けさは、バードバスにうすーい氷が張っていました。12月ももう半ばですものね。風邪などひかれませんように。
コメントありがとうございました。
__桐花
sukekaku5th
まささん、こんにちは。
「ひたくれなゐ」美しい日本語ですよね。
真っ赤なもみじを見ると思い出す言葉なのです。
コメントありがとうございました。
__桐花
sukekaku5th
attsu1さん、こんにちは。
イロハモミジとカエデモミジって、知りませんでした。木の種類?
春とか夏とかに青々したきれいな楓が、秋に紅葉して赤くなったのを「もみじ」と呼ぶんだと思ってました…!
いろんな色が混じっているのも錦みたいですごくきれいですよね。ことしはそんなもみじが多かったような気がします。
散り敷いたもみじも絵になりますね。カサカサ踏んで歩くのもステキです。
うちの楓、玄関脇にあるのですが、もみじが散ったあとは玄関前がレッドカーペットになってました^^
最後に挿入した「死の側より照明せばことにかがやきて ひたくれなゐの生ならずやも」という齋藤史さんの歌が、真っ赤なもみじを見るといつも胸を過ぎります。紅葉を歌った歌ではないのに。
わたしにとって、もみじの赤は「ひたくれなゐ」なのです。
今朝はバードバスに薄氷が! いよいよ冬本番でしょうか。attsu1さんもあたたかくしてお過ごしください。
コメントありがとうございました。
__桐花
sukekaku5th
三冬さま、こんにちは。
なんか今年のもみじはイマイチ…と思っていたら、突然真っ赤になりました。絶句です。
ひたくれなゐって、前にも書いたこと覚えていてくださって、もみじを見ると思い出してくださっていたなんてうれしいです。
アメリカはゴールデンリーフがメインだし、日本のもみじの鮮烈なくれなゐは印象的だろうなって思います。
コメントありがとうございました。
__桐花
sukekaku5th
オジンさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
燃えるような情熱的な赤…たしかに若い頃のようには持っていないでしょうか^^;
でも年とともに別の良さが伴ってくる、そんな年齢を重ねたいです。自分が子どもの頃に感じていた40代後半の女性はもっと大人だったのに、自分はいつまでたっても子どもだなぁと反省するわたしです。
オジンさんはカラオケとか楽しんでお仕事もしてまだまだ青春ですよ~
__桐花
kimibluekimi
桐花さん、こんにちは。
ひたくれなゐ、日本語の美しさを思いますね。
今年は各地でなかなか椛が綺麗に赤く染まらないと聞きました。
それでも仰るように最近になり、ようやく一斉に色づいたとも。
さぞや目を見張るような綺麗さだったことでしょう。

この辺りは11月終わりから12月初めにかけて、山が一斉にそんな風に色づきました。
それまでがなんだかなぁ;な感じでしたので、一気に色鮮やかになった際には自然のなせる様に驚きました。

寒くならない秋と言われていましたが、今日辺りはもう寒いそのものの冬。
椛葉も一気に散ってしまったかもしれませんね。
sin-masa
「ひたくれなゐ」久しぶりにこの言葉を思い出しました。
優雅で、ピッタリの言葉ですね・・・(まさ)
breezemaster
おはようございます^^
桐花さんのお庭の楓、真っ赤になりましたねぇ~
今年、紅葉が遅くて、見られたらまま、落ちてしまうかなぁ~なんて思っていましたが、
私も、何箇所かで、こうした真っ赤なカエデ・モミジを見ましたよ^^
イロハモミジってありますよね。
今年、紅葉の進みが遅い葉と早い葉があり、
そして、昨日は、イロハモミジじゃなくても、
グラデーションを楽しみ、
落ち葉のモミジも、絵になるなぁ~
なんて、思いつつ短い散策を楽しんできました^^

ひたくれなゐ、???の私、
検索すると、
斎藤史の代表的な歌集のタイトル
直紅(ヒタクレナイ)
なるほどぉでした。・・・さすが桐花さん、表現の知識豊富ですね!!

そして一気に冬の気温、
北国は、“10年に一度レベル”の寒波、
暖かくしてお過ごしくださいね
mifuyu2019onyourmark
こんばんわ🌛✨️
スゴイ!真っ赤ですね👍️
前にも桐花さんのブログで「ひたくれない」と読んで
それから真っ赤なモミジを見ると私もひたくれないって思うようになりました☺️
紅葉&黄葉はどこの国にもあっても、日本のは特別で海外の人にも人気ですね!!
yamaguti2520
燃えるような赤情熱的な赤歳とともに失っていく感じがし。一夜にして無くなることはないけれどだんだんとだんだんと少し悲しい気がしますが、それが自然の成り行きならば仕方がないですね❣紅葉の赤紅葉あの日に帰りたいな~
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「花と鳥。想い。いろいろ。」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事