春、梅や桜を見上げているとメジロがたくさんやってくる。10羽、20羽と群れてやってきてあっちへ行ったりこっちへ来たりあふれる花のなかを踊るように飛び交いながら次から次へと花のなかに顔を突っ込んでいる。それはもう、夢中な様子で。チュルチュルと鳴き交わす声は悦びに満ちている。彼らと同じあふれる花のなかに立ち尽くしてただ見つめているとあの蜜の味がわたしにもわかったように思うときがある。・