冬の間、
植物の気配は息をひそめて
こげ茶色の丸い「物体」になっていた
釣りしのぶ。
温室から出してくるのが
すっかり遅くなり
枯れちゃったかな?
と心配しながら
テラスに吊るして
水をかけるようになって…
5日目
いっせいに
芽が出た。
生まれてくる赤ん坊の
小さな握りこぶしのように
いのちと希望、
未来を
ぎゅっと握りしめて
芽を出して
光のなかへ
ゆるゆると
ほどけていく。
なんてすごい生命力。
お日さまにあてて
お水をあげるの
遅くなって
ごめんね。
この小さな宇宙にも
遅ればせながら
春。
きっと
夏にはまた
風に
さわさわと葉を揺らし
光に透けて
さわやかな涼を
運んでくれる。
summer 2020
ところで
少し前に「冬越しして芽が出た」
と書いた
苔玉の三時草に
春の手のひら
木々が瑞々しい萌黄色に染まるのはもう少し先だけど、この小さな 小さな苔玉の宇宙はもう春が満ちていてやさしく淡い萌黄色。その瑞々しさと 柔らかさ健やかに広がる真新しい葉っぱがひかりへ......
はじめての花が
咲きました。
小さな
小さな花
午後の
3時から6時くらいまで
ほんの数時間だけ
そっと咲いて
珊瑚のような実を
結ぶ
ここにもきらめく
生命力。
★
PEACE TO UKRAINE
STAND WITH UKRAINE
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