霧雨のなかおもおもと群れ咲く薔薇の前に立って気づけば薔薇の悲しみを想像していた薔薇は薔薇の悲しみのために花となり青き枝葉のかげに悩める__若山牧水牧水は悩みながら薔薇を眺めてその花に己の悲しみを見いだしたのだとは、思うでも薔薇自身の悲しみに思いを巡らせるわたしがいる薔薇ほど意志を感じる花はないと思うからかもしれない悲しみゆえに花ひらき香りたちなお青い枝葉のかげで愁いている その、薔薇の悲しみを思う・