17世紀の絵師。
江戸琳派、たらしこみ技法の祖として知られる俵屋宗達『牛図』を模写してみた。
本物は、俵屋宗達ゆかりの寺、頂妙寺にある。
これの元絵と言われるのが、北野天満宮の『北野天神縁起絵巻』と言われているが、
たらしこみ技法による俵屋宗達のものが、圧倒的に筋肉の動きや躍動感を表現している。
…などなど。
私、樋口鳳香は年内の展示が終わったため、少しだけ時間にゆとりができて
模写や、研究に費やす時間も持てるようになった。
ちょうど今、京橋のアーティゾン美術館では『琳派と印象派』という企画展を開催している。
東と西の都市の芸術が互いにインスパイアされ発展した片鱗を鑑賞することができる。
江戸の絵師たちのひたむきな仕事のありようと、底知れぬ探究心につくづく感嘆した。
そこにあるのはリアルを超えた超リアルだ。
なにより見せたいものありきで、空白を生かして魅せる。そこにないものも描く。
時間も空間も次元を超えた世界を創造する。
無を有に。有を無に。色即是空、空即是色の宇宙観だ。
絵にしか表現し得ない世界。
着物の柄も、皿の絵付けもそうだが、
見たまま描くのではなく、感じたまま印象深く造形的・象徴的に、
空白という宇宙を最大限生かして刻んでいく。
気づいたのは、可能性は未来にあって、過去にある。ということだ。
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