明日また陽が昇るなら −カウンセラーもり あずさ(もるも)のブログ−

それは「揺るぎない強さ」じゃない・・・ -連続テレビ小説「スカーレット」より-

今日の放送では、また喜美子の独断ぶりが遺憾なく発揮されていましたね。

 

武志が「誰にも知られたくない、お父ちゃんにも」と言ってるのに・・・。

 

そこから1日も経たないうちに、独断で妹たちに「武志に内緒で骨髄検査を受けてほしい」と

無理なお願いをします。

 

妹たちからすれば、武志の病気の話を聞いただけでも十分ショックなのに、

そのショックを誰とも共有することを許されず、黙って病院に検査に行くことを強いられました。

 

2人はよく黙って引き受けたなと思います。

 

百合子は帰り道で泣いていましたが、家に着いたら泣くこともできず、

新作にも、義理の両親にも自分の気持ちを伝えることができません。

 

しかも、喜美子は父親である八郎に話す前に妹たちに話をしてしまいました。

 

彼女は、武志の命を救うことを第一に考えているのでしょうが、

 

それ以外のことは何も考えていないですね。

 

そして、彼女にとって一番大事な存在である武志の意向をいとも簡単に無視します。

 

稲垣吾郎さん演じる大崎先生が、患者さんの揺れる心に変わって医者である自分が

「揺るぎない強さ」を持つようにしている、という話をした時に

 

喜美子は「そうだ、うちはずっと揺るぎない強さを持っている」と言いました。

 

ですが、彼女が実際にとっている行動は息子の死が怖く、そこから逃れるため

 

武志の意思に反して家族に病気のことを話してしまい、

 

武志に頼まれていない骨髄移植のドナー探しを勝手に始めてしまいます。

 

「揺るぎない強さ」とは、恐れと不安から独断で行動することではなく、

 

武志の不安や恐怖、揺れ動く気持ちに寄り添い、彼の気持ちを受け止めてあげることです。

 

そして「あなたに生きていてほしい」という自身の思いを伝え続けることです。

 

大崎先生が言う通り、武志は今絶望と恐怖の真っ只中にいます。

 

その中で、なんとか希望を持って生きようと本人なりに努力しています。

 

お父さんがチャレンジしたような深見先生の絵葉書の蒼い色を出すこと、

 

次世代展の落選を踏まえ、次なる道を考えること。

 

・・・しかし、その前に立ちはだかる余命宣告。

 

自分の求める陶芸のため「じっくりやる」「焦らずやる」と決心したその矢先に

余命宣告をされた武志の絶望感は、察するに余りあります。

 

やり切れなくなって、お酒を飲むのも当然です。

 

大崎先生の言う通り「自暴自棄になったり、希望をもったり」

 

そんなことをこれからも繰り返すと思います。

 

それをしながら、何とか自分の現実を受け入れて

 

次なる一歩を踏み出すことでしょう。

 

周囲にできることは、彼が自分で自分の道を決められると信じ、愛を持って支え続けることです。

 

もちろん、病気が進行して精神に支障をきたし、正常な判断ができなくなる場合もあります。

 

その場合は両親が介入する必要があるでしょう。

 

でも、今はまだその段階ではありません。

 

まだ、武志は自分の意思を持って行動できる状況です。

 

にも関わらず、武志の意思に背いて勝手に行動を起こす喜美子は

 

「揺るぎない強さ」とは対極の、恐れと不安に突き動かされています。

 

このドラマの感想で、よく「喜美子は強い」と言われますが

 

私は彼女を強いと思ったことはありません。

 

鼻っぱしが強いし、体力も実行力も強い人だと思います。

 

誰もなし得なかった、穴窯での自然釉を活かした陶芸作品にチャレンジし、見事に実現しています。

 

創作者として、一家の家計を支える人としては、素晴らしい人です。

 

ですが、人間としては弱いというか・・・。

 

自分の考えを周囲に理解してもらったり、相手の気持ちを理解しようという姿勢が薄く、

 

人を信頼し、人の成長を信じて、待つことができない人。

 

人と協力して、一緒に何かを成し遂げる人が出来ない人。

 

そんな風に見えます。

 

武志の病気は、喜美子にとってあまりにも辛い出来事でした。

 

親友の照子に見せた涙と狼狽する様子が、それを物語っています。

 

辛いのだから、それを無理に打ち消して「武志を生かしたる」と凄む前に

 

父親であり、新しい信頼関係を築いている八郎に相談すればよいのではないでしょうか?

 

彼女は、自分の弱さと向き合うこと、そしてその弱さを大事な人たちに伝えることから

逃げ続けているように見えます。

 

明日の放送で、ついに八郎にも話をすることになるはずですが

 

どうか自分自身の弱さから逃げず、素直に自分の弱さを八郎に見せてください。

 

八郎は、ずっと武志の養育費を支払い続け、武志に手紙を送り続け、

 

再会した時に「電話なんかしていない」と言い張る喜美子に対し、ハクション芸をしながら

帰って行くほど喜美子を大好きな、

 

喜美子と武志一筋の男です。

 

喜美子は、そんな元旦那様の愛情を信じて、頼ってみてください。

 

そしたら本当の「揺るぎない強さ」が自分の中に芽生えるはずです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日も素敵な1日を。

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