明日また陽が昇るなら −カウンセラーもり あずさ(もるも)のブログ−

「花火」じゃなくて「スカイロケット」な理由 -B'z "SKYROCKET"より-

先ほどまでNHKのBSプレミアムのオリンピック特集番組を観ていました。

 

去年大河ドラマの「いだてん」を観ていましたので

 

過去のオリンピックと政治とは密接に絡んでいることについては、理解しているつもりでいました。

 

しかし「いだてん」でも放映されなかった日本軍占領時代の韓国選手の話や

 

メキシコシティオリンピックの出場選手による人権運動の話など

 

もっと色濃い政治色があったことをはじめて知り

 

楽しいはずの土曜日の夜なのに、少し悲しい気持ちになりました。

 

そんな悲しい気持ちを音楽で払いのけよう!と思ってプレイリストを見たところ

 

この”SKYROCKET”にたどり着きました。

 

2017年発売のアルバム「DINOSAUR」の収録曲です。

 

ミディアムテンポで明るめの曲調が好きな私にとっては、好みにぴったりハマった曲でして

 

このアルバムの中では、次の曲「ルーフトップ」に並んで好きな曲です。

 

ちなみに「ルーフトップ」については以前歌詞分析を書いております↓

 

「はがゆい」のも男だけじゃないよ -B'z「ルーフトップ」より-

https://blog.goo.ne.jp/sun-also-rises/e/21409e19b5b2141822199336abc434ee

 

さて、この”SKYROCKET”に戻りますと

 

実は今回の歌詞分析で改めてタイトルの日本語訳を調べまして

 

「打ち上げ花火」の日本語訳であることを

はじめて知りました

 

・・・確かに、打ち上げ花火って「スカイ=空」に放たれる「ロケット」ですもんね。

 

ただ「花火」の英訳って「fireworks」だと思っていたので

 

スカイロケットにも花火の意味があるのは知りませんでした。

 

しかし、なんで稲葉さんは「花火」でも「fireworks」でもなく

 

「SKYROCKET」をタイトルに選んだのでしょうか?

 

それは歌詞を読んでみると分かります。

 

日本のポップスで「花火」をタイトルやモチーフにしている曲って

どんな歌詞のイメージがありますか?

 

・・・そう、真っ先に想起されるものは

 

「真夏の恋」

 

これです。

 

Aikoの「花火」、ミスチルの「HANABI」、スピッツの「涙がキラリ☆」、jitterin'jinnの「夏祭り」

 

・・・いずれも花火を見ている男女の恋の歌です。

 

しかし、この”SKYROCKET”は趣旨が違いまして

 

同じ夜空の下、打ち上げ花火を観ている人々は

 

君のお母さんであろうと、一国の首相であろうとも

 

みんな同じように歓声をあげてはしゃぎたいのだ。

 

そんな風に、立場の違う人たちが同じ空の下で花火を観ながら

 

笑い合える日を夢見て、喜びの声を上げよう。

 

そんな、ちょっとした人類愛や世界平和を歌っています。

 

そして2番のAメロBメロが、その実現がいかに難しいかを示唆しています。

 

人はそれぞれ違えど 騙し合いにゃ疲れる

ここはひとつ譲り合いましょう

 

誰もが愛情を知ってたはずなのに

うっかり忘れる なぜなの

 

・・・何でですかね?

 

冒頭でご紹介したオリンピックにまつわる人権問題や政治問題に象徴されるように

 

人は皆それぞれ違うのですが、こうした争いは終わりが無く、辛いですよね。

 

本当は誰もがお互いへの愛情や思いやりを持っていたはずなのですが

 

この歌詞にもあるように、なぜかうっかり忘れてしまいます。

 

けれども、オリンピックの趣旨がそうした違いをスポーツという共通項で結びつけ

 

同じ空の下、各国の代表が競い合うことで平和を実現することにあるように

 

この"SKYROCKET"も同じ夜空の下同じ花火を観ている人間同士が

 

違いを乗り越え、相互理解することを願って作詞されています。

 

この実は壮大なモチーフを伝えるにあたり、タイトルが「花火」だと男女の恋愛に収斂してしまうので

 

稲葉さんは、あえて日本人の感覚からは少し遠い”SKYROCKET”という言葉を選んだのだなと

 

今回歌詞分析をしていて初めて気づきました笑

 

でもこうやって、割と壮大なテーマである人類愛や世界平和の概念を

 

マイケルの”Black or White”やジョンレノンの”imagine”のような政治色の強い歌詞ではなく

 

この”SKYROCKET”のようにサラリとアルバムの一曲で触れて

 

しかも押し付けがましい感じではなく、人の心を柔らかく捉えるような稲葉さんの歌詞のアプローチは

 

やっぱり独特だなと改めて思いました。

 

・・・そういえば「愛のバクダン」も一見割とカラッとしたロックに聴こえますが

 

実は世界平和と人間の相互理解を歌った壮大なモチーフの歌ですね。

 

近いうちにこの曲も分析したいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日も素敵な日曜日を。

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