物心ついた時にはもう父と母とは暮らしておらず狭い2Dkの団地に曾祖母と祖母と叔母二人の5人暮らしをしていた。
大人達はいつも諍いをしていた。
それでも可愛がってくれていたんだと思う。
写真をたくさん残してくれている。
耳の聞こえない祖母に手を引かれ大人の足で15分程の道程をほぼ毎日泣きながら保育所に通った。
親が居る事が当たり前だと知らず自分の家庭が不自然だと思わず。
保育所の意地悪な友達に引っ掻かれてもお迎えに来た耳の不自由な祖母には何も伝わらなかった。
当たり前に親の愛情を受けられなかった人間は大人になってもその後遺症を残すことになる。