一昨日(3月20日)行われた、石川啄木記念館館長森 義真氏による講演『宮澤賢治をめぐる女性たち―高瀬露について―』に関して、下掲のような新聞報道が2020年3月21日付『岩手日報』紙上でなされた。
森 義真氏が、かくの如く「高瀬の悪評はぬれぎぬと言える」と仰って下さったから、これで、巷間流布している〈高瀬露悪女伝説〉は一度再検証されねばならないということは必至だ。それは、この伝説はこれで人 . . . 本文を読む
《白露草》(平成28年8月24日撮影、下根子桜)
講演会ご案内
来る三月、石川啄木記念館館長である 森 義真氏 の講演会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。
日時:令和二年三月二十日(金)午後二時~
場所:イーハトーブ本の森 ぽらんの広場
講師:森 義真氏 (石川啄木記念館館長)
演題:『宮澤賢治をめぐる女性 . . . 本文を読む
さて、ここまでに述べてきた一連の投稿
・えっ、またか、と思ったのだが私の誤解
・高瀬露に関する著作の奇妙な扱われ方
・『宮澤賢治と高瀬露』が検索にひっかからず
・腐さしていただいた『宮澤賢治と高瀬露』において通底していることは何か。それは、
高瀬露は決して〈悪女〉などではないということを実証したり、主張したりしすることに対する妨害や排除があるという懸念である。
そしてこの度、あの「賢治学会 . . . 本文を読む
さりながら、どうやら高瀬露の〈悪女伝説〉に異を唱えることは、大きなしかも見えない壁に立ち向かうことになりかねないということを私は肌で感じ、ぼやいてしまった。しかも、それは単に私のぼやきだけに留まらないようだ。なぜなら、昨年(平成29年)の賢治学会の春季セミナーに関わってあることを私は経験したからだ。
具体的には、以前〝《「羅須地人協会」の会員等一覧(叩き台)》投稿の経緯〟において次のような投 . . . 本文を読む
さて、前回の最後の方で、
〈高瀬露悪女伝説〉を検証し、それを公にすることを妨げる何らかの不可解な力が働いているのではなかろうかという不安を私は述べた。そしてその一つの具体例として上田哲の論文が載った『七尾論叢 第11号』(吉田信一編集、七尾短期大学発行、平成八年)の扱われ方を紹介した。
実際に私が調べた限りでは、『同第11号』の現物が所蔵されている公的機関は金沢大学付属図書館だけである。そし . . . 本文を読む
私は5月末時点では、
高瀬露の〈悪女〉の濡れ衣を晴らそうとする著作に関しては以前からどうも変な事態が起こっている。そしてそれと似たようなことがこうしてまたもや起こってしまうと、私のある懸念は益々強まってくるのだが、それは次回へ。と述べようと思っていたのだが、今回はその「似たようなこと」の一つに関して論じてみたい。
私は11年ほど前から、恩師岩田純蔵先生(宮澤賢治の甥)の黙示のミッションとで . . . 本文を読む
5月末時点では
えっ、またか。
と思ったのだが、6月3日時点でチャックしたところそうではなくなっていたので、私の誤解だったことを以下に報告する。
******************************************以下(5月末時点での投稿予定原稿)************************************************** 以前私は〝『宮澤賢治と高瀬 . . . 本文を読む
なお、ブログ『みちのくの山野草』にかつて投稿した
・「聖女の如き高瀬露」
・『「羅須地人協会時代」検証―常識でこそ見えてくる―』
や、現在投稿中の
・『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』
がその際の資料となり得ると思います。
”宮澤賢治の里より”のトップへ戻る。
. . . 本文を読む
”宮澤賢治の里より”のトップへ戻る。
《鈴木 守著作新刊案内》
この度、お知らせしておりました『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』が出来いたしました。
◇『「羅須地人協会時代」再検証-「賢治研究」の更なる発展のために-』(定価 500円、税込み)
本書の購入をご希望なさる方がおられましたならば、『宮沢賢治イーハトーブ館』においてお買い求め下さい。
あるい . . . 本文を読む
《高瀬露は〈悪女〉などでは決してない》
私は上田哲との共著『宮澤賢治と高瀬露』を自費出版した。その構成は次のような二部構成になっている。
Ⅰ 「宮沢賢治伝」の再検証㈡ ―〈悪女〉にされた高瀬露― 上田 哲
Ⅱ 聖女の如き高瀬露 鈴木 守
不思議なことに、上田哲の上掲論文が所収され . . . 本文を読む
《創られた賢治から愛すべき真実の賢治に》 さてでは今回は残りの詩、文語詩で当該のものをリストアップしてみたい。
⑦ 〔さき立つ名誉村長は〕「文語詩稿 五十篇」
この〔さき立つ名誉村長は〕
さき立つ名誉村長は、 寒煙毒をふくめるを、
豪気によりて受けつけず。
次なる沙弥は顱を円き、 猫毛の帽に護りつゝ、
その身は信にゆだねたり。
三なる技師は . . . 本文を読む
《創られた賢治から愛すべき真実の賢治に》 さてここまでに、賢治が露のことを詠み込んだり、イメージしたりしていたのではなかろうかと思われる詩を幾つか投稿してきたが、それらのリストをここで作ってみたい。まずは口語詩の場合。
① 七四〇 秋 1926/09/23(木) 「第三集」
この詩に登場してくる「上鍋倉」とは、当時高瀬露が勤めていた「寶閑小学校」のあったエリアである。 . . . 本文を読む
《創られた賢治から愛すべき真実の賢治に》 さて、前回私は、「下書稿㈢」までと、定稿とでは全く違う要素が入れ替わったという可能性もあると今は考えている、と述べた。
たしかに文語詩〔盆地に白く霧よどみ〕の「初期稿㈠」の段階では、「とは云へなれがそのひとみ/かしこに朽ちんすがたかな」と賢治が詠んだ小学校教師「なれ」とは澤里武治のことだったのかもしれない。ところが、それが推 . . . 本文を読む
《創られた賢治から愛すべき真実の賢治に》 一方、信時哲郎氏は Web版〝宮澤賢治「文語詩稿 五十篇」評釈 二〟 という論文において、〔盆地に白く霧よどみ〕
盆地に白く霧よどみ、 めぐれる山のうら青を、
稲田の水は冽くして、 花はいまだにをさまらぬ。
窓五つなる学校に、 さびしく学童らをわがまてば、
藻を装へる馬ひきて、 ひとびと木炭を積み出づる。 に . . . 本文を読む
《創られた賢治から愛すべき真実の賢治に》 さて岡井隆氏は前掲書『文語詩詩人 宮沢賢治』(筑摩書房)において、次の文語詩〔盆地に白く霧よどみ〕についても考察していて、
盆地に白く霧よどみ、 めぐれる山のうら青を、
稲田の水は冽くして、 花はいまだにをさまらぬ。
窓五つなる学校に、 さびしく学童らをわがまてば、
藻を装へる馬ひきて、 ひとびと木炭を積み出づる . . . 本文を読む