岬までの急な傾斜を車で登る。
シーズンオフで良かった。上から車が降りてきたら、すれ違う余裕が無いような細い一本道。
登りきった場所に車を止めると、海難にあった船の慰霊碑があった。
岬の頂上へは更にジグザグの木製の階段が続いていた。かなり高い。「〇〇と煙は高い所が好き」というが、私も高い所が好き。
写真で見ると、大した階段でもないと思われるだろうが、数えたら頂上まで180段ほどあった。
義経神社の88段の階段の時の様に息は切れなかった。神社の階段と違い、階段自体の段差が低めだから、上り始めはスタスタと上れたのだが、それでもさすがに最後の一段は筋肉に乳酸がたまり、やっとの思いで足を上げた。
木製の階段は、一部水平ではなく全体が斜めになっているところもあり、実にスリリングだった。ある意味恐怖の階段。
最後の一段を登りきった場所。足にキター。筋肉プルプル。
囲いの外側に棒杭が立っており、「エンルムチャシ跡」と書いてある。チャシとはアイヌ語で「柵囲い」を意味し、砦や祭祀場、見張り場など多目的に使われていたらしい。
アポイ岳ジオパークの説明を引用すると、『このエンルム岬は、もともとは島だったものが陸地との間に砂がたまって陸続きとなった「陸繋島(りくけいとう)」。海に突き出ているため、船の停泊に都合がよく、古くから港として栄え、そのことが今の様似の発展につながりました。』とのこと。
調べたらエンルムはアイヌ語で「岬」という意味だった。エンルム岬は“岬岬”ということになる。
高いところが嬉しくて、ぐるりを写真に収めてみた。
良い眺めだ。階段を上って良かった。
岬登りには息子が付き合ってくれた。
階段の上りの時は私の背後を、下りのときは私の前を行き、さり気なく老母の万が一の転落に備えていてくれたんだろうなあ。ありがとさん。
このエンルム岬、裏側のマグマが冷え固まった「節理」が見どころだと後から知った。もし、行かれる方がいたら、裏側もお見逃しなく!
本日の行程はここまで。さあ、宿へ。
続く