高雄駅を朝出発し、同じく自強号で嘉義(チャーギ)駅に至る。この漢字でチャーギと発音するのか?駅前から阿里山行の乗合バスが出るというので、漢字で「阿里山」と書いて切符売り場のおばちゃんに見せて無事切符を買った。
嘉義から3時間、マイクロバスに揺られながら登ると阿里山の茶畑が出現した。ウーロン茶の産地ですね。
阿里山駅に着いて、さあこれからが大変。ここに来た主目的は明日の早朝の日の出を見ることだが、阿里山の素晴らしい自然も是非見たい。旅行社の女性がまくし立てているが何を言ってるのかよく分からん。地獄に仏とはこのことか。後で聞くと同じ乗合バスで昇って来た若い女性、名前は黄(コウ)さん。彼女は三重県にホームステイしていたこともあるとかで、日本語も上手い。次の日の夕方まで助けて頂きました。謝謝 謝謝。
宿もたまたま同じだったので、荷物を置いて教えられるまま素晴らしい森林浴に向かった。阿里山駅から沼平駅まで阿里山鉄道に乗り、ミニトリップ。
阿里山は標高2200mほどあり、さすがに涼しい。千年から二千年の、太さ10数mはあろうかと言うお年寄りの素晴らしい杉が沢山見られる。
屋久島より、奈良より素晴らしい!このように保存された中華民国の取り組み、それは太魯閣でも良く分かったが敬服するのみである。
「阿里山の杉の巨木や風薫る」京都
このように遊歩道が続いていて太古の樹の精を一身に吸収できる。
夕飯は火鍋を頂きました。辛いだけでもう一つであったが?こんなものかな。
翌朝は4時過ぎに起きて、5時にバス停集合、1日ツアーで日の出の見える所へ連れていってもらった。
東の方を眺むれば、台湾最高峰の玉山3900mの左方が白んできている。日の出は万国皆が感動するんだろうな。周辺には冷気、霊気が漂っていた。
日が出ると皆の顔も照らされ明るく、熱気すら感じる。赤外線で顔が、体が急に暖かくなる。
「阿里山の夏の日の出の熱さかな」京都
昼過ぎのツアーバスで嘉義に戻る前に奮起湖を訪問。ここは阿里山鉄道の途中駅だが(この時現在、奮起湖駅から阿里山駅までは災害の影響で今だ不通)黄さん曰くは「ここの弁當は全国で有名で是非とも寄って見たかった」という。
小さな村落であるが20軒ほどの小さな店があり、いろいろな土産物を売っているが共通することは「弁當」、皆自分の店が最高と競い合っており、それが客をまた呼ぶといういい循環が出来ているようだ。でも黄さんが言うには駅前のこの店が一番と言っていた!
基本的には紙の折で、下の層がご飯、真ん中の層が野菜の炒めのも、上に鶏なり、豚なりの肉が乗り、400~500円で、非常にボリュウムがある。この弁當形式は台湾中皆同じで、駅でもコンビニでも売られており、台湾の人は皆弁當が好きなようだ。「奮起湖弁當」がその中でも人気でコンビにでもよく見かけた。
隣に座った幼児もお母さんに弁當をおいしそうに食べさせてもらっていた。
昨夕は嘉義駅から台中駅に着き、ホテルに荷物を解いた。
翌日20日は1日バスツアーで日月潭を巡った。あいにくの梅雨のような雨ですこし鬱陶しかったが「台湾では正月以来雨らしい雨が降らず取水制限が行われていた」と言うことなのでまさしく慈雨、ツーリストも我慢しなければ。
ビジターセンタから眺める湖。対岸には蒋介石の元別荘、今は高級ホテルが見える。
ロープウエイに乗って山を越え、原住民博物館に至るが、途中は雨で本当は湖の眺望も素晴らしいはずが霞んであまり見えなかったのは残念。
この日のツアーの一行。左は香港から来た中国系の母息子。右はテキサスから来た男二人組。ガイドはシャッターを切っているので写っていないが「大阪市大」で植物学を学んだそうで、日本語もペラペラのはずが、もう忘れたとかよく分からない日本語で、英語の方が得意そうであった。
昼食は原住民料理だそうで、いろいろバラエティに富んでいて美味しかった。
最後は雨の中関帝廟と孔子廟を訪問した。どちらも装飾はにぎにぎしかったが、建物はなかなか荘厳なものだった。一般的に台湾人は仏教信仰、関帝信仰、儒教崇拝の3つが主力で3者矛盾なく共存しているらしい.
台湾の原住民を紹介した可愛いポスターがあった。12種の民族がいるようで今でも人口の半分ぐらいは原住民系だそうだ。実際は混血が進んでいるようだが、混血と言うのは顔つきもきれいだし、両者の良い面も現れやすいと言われている。
台湾の元気の良さもその辺にもあるのかな?
台中駅、なかなか味わいのあるレンガ建てだ。この近くにあるホテルに旅装を解いた。
これは台中名物?太陽餅。1947年創業だそうで、お店の2階は太陽餅博物館となっていて昔の製造写真や器具などの展示もある。前述の黄さんとガイドから美味しいから是非土産に買えと勧められた。試食するとこれは美味い。3箱買ったが買ってからしまった!重いし、嵩張る。しかし、もう返すわけにもいかないのでホテルに帰ってスーツケースの要洗濯の下着などを思い切って捨てようやくスペースを作って、無事持って帰れた!
台中からは新幹線で台北に戻ることとした。台湾では新幹線を「高鉄」と言い、在来線は「台鉄」と言う。どうやら経営も違うようだ。聞くところによると、高鉄は経営危機に陥っているらしく、相当やばい?らしい。旅客は順調に伸びているが、もともとの需要予測が高すぎて収入が費用におっつかないらしい。
車内は?日本の車両を導入しているので全く日本と変わらず。騒音も少なく、乗り心地もよかったよ
台北に戻って次の日5/21.朝は雨はなかったのでじゃあ出かけようということで台北近郊で観光客に有名な九分に向かった。ここは海に近いのだがつづら折れの急坂をバスが上っていって到着する。町自体も急坂に立っている。観光客の多さと言ったらすごい。両側には屋台店と土産物屋が犇めいている。
クレープ生地にコーンフレイクとアイスクリームを巻いたものでこれは美味い。
ここは屋台店。数種類の魚肉団子が入ったスープを食べたが無茶美味い。
しかし、九分の人の多さに辟易したのでガイドブックを調べると、バスの終点の「金爪石」のすぐ近くに昔の金鉱跡があっていいところだと書いてあったので早速バスに乗り、到着。ガイドブックの通り静かでいいところでした。
「行き先を漢字で問いしバナナ時」京都
ここは日本統治時代に本格的に開発したもので終戦後中華民国が受け継ぎ20年ほど運営したが鉱脈が枯れたので廃鉱となり、今は記念博物館になっているらしい。ヨーロッパの旅行記などにアジアの東の端に黄金の国があると記されているが日本だけではなく、台湾も含まれているのだろう。
金鉱跡を見学できる。ヘルメットを貸してもらってこの入り口から入っていく。それなりに現実味があって、マネキンではあるが金発掘現場の当時の状況を再現していて興味深かった。
ここは金鉱山敷地内に建てられた迎賓館、昭和天皇が皇太子の時行幸されるということで建てられたそうな。台湾テーストではあるがなかなか瀟洒な建物である。
金爪石からバスに乗り、基隆に至る。台湾有数の港湾設である。少し立ち寄っただけだが活気が感じられた。
基隆から台北に戻る各停の電車。日本の電車の風景とほとんど同じだ。
5/22、昨日の九分の近くの、ローカル線 平渓線沿線を訪れることとした。ここは台鉄の幹線から別れたローカル線であるが、次に述べるようにいろいろ面白いところがあり、平日にもかかわらず大変賑わっていた。
上記は1日券。もっと面白いことはこの券をもって江ノ電に行くと、江ノ電の一日券が貰えるという。(有効交換期間はあるらしいが)
十分駅。ここは平渓線の中心であり、一番賑わっていた。非電化なのでディーゼル車である。列車は街の商店の真ん中を通り抜けていく。
終点の青桐駅前で竹筒入りの粽を食べた。竹筒に粽の材料を入れ蒸し器で蒸す。注文があると蒸し器から竹筒を取り出し、竹筒を横に割って渡してくれる。少し熱いがおいしい!
十分駅から20分ほど歩くと「台湾のナイヤガラの滝」があると聞いて、雨の中を歩いて行った。いかにも「際もの???」のようで大したことはないとタカをくくっていたが、行ってびっくり!素晴らしいの一言。
十分駅の近くの線路の左右に天燈(らんたん)を売っている店が犇めいている。願い事を書いて下にろうそく?を点火して熱気球の原理で空に飛ばす。空には沢山の天燈が飛んでいる。しかし、10から20分で落ちてくる!列車が来る前に落ちた風船を店の人があたふたと集めていた。
「天燈の願い儚き蛍かな」京都
台北に戻り、市内の北のほうにある新北投温泉に行った。ここは160円で天然温泉の混浴である。老若男女、世界各国の人が訪れていて、賑わっていた。もちろん水着着用、硫黄温泉で今までの旅の疲れがすっと抜けた。この後台湾マッサージに行き、足壺も含めてやってもらったが新北投温泉の方が「疲れが抜けた感」が格段に強かったのは事実である。
最後の夜は台北の士林夜市。台北にいくつか夜市があるが私のお気に入りはここ。以前から比べると夜市用のすごい建物が出来ていた。きれいで使いやすいがちょっと汚そうで乱雑な雰囲気が少しなくなっているかな。
地下の屋台?街で 臭豆腐、エビの揚げ物、牛肉麺、ビール で打ち上げを行った。
台湾さん、そしていろんなところで出会った皆さん、お世話になりました。楽しい旅になりました。謝謝 謝謝!
See you again