Toshichanの独り言

海外、国内旅行の旅日記。私の俳句手帳、などなど筆の進むままに書き連ねてまいります。

キューバ、どんな国? USAの喉仏に刺さった骨 その2

2014年03月24日 | 旅行

◇サンチアゴデクーバ

・ハバナからクバーナ航空で1時間30分ほど、キューバ島の東の端に近い町である。キューバの自動車のオンボロさから類推するとどんな飛行機かと心配していたが割ときれいな飛行機だった。Antonovと書いてあったので多分ソ連製?の飛行機なんだろう。問題なく飛んで一安心。

・例のごとく空港からはタクシーに乗り旧市街地の中心にある町一番と言われている「ホテル カサグランダ」に到着。ここもコロニアル様式の立派なホテルであるが、同じく騒音が大きい、がハバナのホテルほどではなかった。ホテルで朝食を食べてから市街の散策に出かける。ホテルの前はセルベデス広場。向かいはベラスケスの家(キューバ歴史博物館)などがあるが、とりあえず「モンカダ兵舎博物館」に向かう。サコ通りと言う目抜き通りを東に歩いたが平日の10:30頃だというのに人がやたら多くいた。しかし、商店はハバナと同様薄暗く、商品は少なく、アパートの出口の小店が目立っていた。

・「モンカダ兵舎博物館」:32℃と大変暑い中どんどん歩いていくとやがて看板があり、「モンカダ兵舎博物館」に導かれる。壁には銃撃の跡の生々しい弾痕があるが、これは誇張されたディスプレイのように見えた。
 博物館にはモンカダ兵舎襲撃を中心とした詳細の展示があり、1953年7月26日革命の詳細が示され興味深かった。

・学校教育:博物館入口の左手には教室があり、小学生高学年の生徒が(多分)「革命」の学習をしているようであった。ここに限らず小学生は皆レンガ色の制服を着ている。これはハバナでも同じであった。聞くところによると学校教育は行き届いており識字率は98%と非常に高い。中南米では相当上の方でキューバにとって大きな財産であろう。

・ホテルに戻り次は西の方へ歩いていく。旧市街は坂の多い街でもちろん建物は皆レトロ。1950年代以前多分路面電車が走っていた名残りのレールがたまに舗装の上に少し顔をのぞかせている。西へは結構な下り坂で、降りきったところが海になっていて、ちょうどそこで兄弟が引き潮の岸壁下で沢蟹を取っていた。銛で突くのだが、なかなか上手で沢山取っていた。

・帰り道、工場、作業所などを覗き覗き歩いていたら百人以上の女性が働いている縫製工場があった。各自がミシンを前に何か縫ってるのだが、私が窓から覗くとそれらの女性が皆私の方に振り向くのである。ぐっと睨まれているように思えた。びっくりしたが多分私が覗くことにより日の光が遮られるのでみんな振り向いたのではないかとも思われるが?

・モロ要塞:翌日朝、モロ要塞に行く。タクシーと言うことでおっちゃんが出てきたがこれが「これでよく壊れず走っているな」と言うボロボロボロの白タクで、窓ガラスは透明のテープでつなぎ合わされ、もちろんシートべルトは数十年前にすり切れた残骸だった。坂道は喘ぎ喘ぎ昇っていく。ようようモロ要塞の駐車場に着く。大西洋からサンチアゴデクーバの湾に入るとば口にあり、ハバナのそれと同じような役割を担っていた。真っ青な大西洋を背景に要塞が聳え立っている様子は壮観であった。帰り道、両側に土産物店が軒を連ねており、マホガニー製の彫刻を沢山売っていたが、お客が通っても声の一つも掛けるわけではなく至って静かだ。そういえばビニャーレス渓谷でもそうだった。アジアではうるさく、しつこいほどなのだが、この国では何か規制でもあるのだろうか。往復でタクシー代として15CUCを払ったが臨時の大きな収入だったと見え、友達に大声で自慢していた。

 

◇飛行機でハバナに戻り、バスでバラデロに行く

・日本で立てた計画では10:55にハバナ空港に着き、12:00のバスに乗る予定だったがキューバの実情を見ると乗り遅れる可能性が大きく、一方次のバスは17:40発なのでバラデロに着くのが大きく遅れることとなる。従って是非とも12:00の便に乗りたいので飛行機では荷物はすべて機内持ち込みとすることと決め、せっかく持って行った「スイスアーミーナイフ」とは泣き別れしサンチアゴデクーバのホテルのメイドに寄付することとした。

・ビアスールバス:ハバナ空港からタクシーに乗りビアスールバスのステーションに行く。これがバスステーションかと思われるおんぼろの建物である。インターネットで予約はしてあったので切符を受け取ろうとすると、これが「わら半紙に謄写版印刷をしたような」哀れな切符で我が目を疑った。料金は10CUC、空港からバスステーションまでタクシーで25CUC、バラデロバスステーションからホテルまでのタクシーが15CUC。日本でもそうなのでタクシーの料金が高いのはわかるが、どうしてもこの料金の落差が気持ちとして腑に落ちない。
 時間になるとバスは満員になり出発。客は多分皆外人でキューバ人はいないようだ。ハバナーバラデロ間は14往復でバラデロは外国人特にヨーロッパ人があふれる一大リゾート地のはずなのに4往復のみとは不思議だったが・・・・。要は外国人の個人旅行者がほとんどいないということなのである。

・このバスはバラデロ空港にも立ち寄ったが、空港の前の駐車場は観光バスで溢れんばかりであった。ヨーロッパから来た客はここで貸し切りのバスに乗り換え約60軒あるリゾートホテルに送り込まれるという仕掛けである。

バラデロのバスステーションに着いたが、何人かが先にタクシーに乗ってしまうとすぐなくなりちょっと待つこととなった。前述のように外人観光客は貸し切りバスでホテルに送り込まれそこでずっと滞在するだけだからタクシーの需要も少ないのだろう。ようやく来たタクシーに乗りバラデロ半島の最先端にあるホテル「ブラウマリーナバラデロ」に着く。

・ホテル ブラウマリーナバラデロ:ここは1000室以上はあろうかと言う大リゾートホテルで40室くらいあるコテージが処々に点在している。料金はジュニアスイートで18,000/日(通常の食べ物、飲み物、イベント料金はallinclusive)料理はまあまあか。1人で泊まったから高いが2人であれば1人あたりは半額となるのでそんなものかな。
 海はきれいだが波が強く泳ぐような雰囲気ではない。もちろん海辺には椰子の葉の小屋根が林立しており、デッキで昼寝したり本を読む人はちらほら見られる。プールは4つあり、プールサイドバーも完備している。ここのデッキは満員に近い。昼寝したり、本を読む人ばかりでプールで遊ぶ人は子供とその親ぐらいである。私もi-padを持参して「青空文庫」の小説を読みふけっていて、喉が渇くとプールを泳いで「対岸?」にあるバーに行き、飲み物(モヒートやビール)を飲む と言うサイクルを繰り返していた。おかげで相当読書が出来た。

リゾートにただ寝るだけのカーニバル    京都

・前述のように観光立国で生きようと舵を切りバラデロをその中心に動き出している。そして観光に携わるキューバ人も相当増えている。ホテル、レストラン等の従業員、タクシー等の運転手、またその周辺の仕事をする人、彼らは相当高い税金を払っていると言うことだが、しかしチップなど数々の余禄があることも事実だろう。皆等しく貧乏な時期から貧富の差が次第に大きくなってくるとき矛盾も大きくなってくる。フィデルカストロが亡くなった時抑えが緩くなり混乱が起きる可能性もある。

・また観光立国で生きようとするためには外国からの個人旅行者も含めて考えなばならないが、この国の交通も含めてのインフラは余りに貧弱である。国全体の経済、基盤等の大きな底上げが必要であるが、そこへの道のりはまだ相当遠いと言わざるを得ない。

 

◇食べ物

・豚肉、鶏肉料理が主だが魚料理ももちろんある。野菜類はあまり豊富ではない。料理は一般的に言えばあまりおいしいとは言えないが、勿論美味しいところも多い。

・先に述べたオビスポ通りを西に行くと「ヨーロッパ」と言うレストランがある。小奇麗な店で後述の様にラテンの生演奏もやっているが、料理も美味い。食べたのはロブスターとエビのサラダ、魚のグリルはどちらも美味であった。

・オビスポ通りを一番西まで行くと大きな川の河口付近に至るが、川のすぐ隣にある野外食堂がなかなか良かった。テーブルは10もない小さな食堂だが、いつ見ても込み合っている。2回行ったが最初は「エビのグリルとターメリックで黄色いご飯」、エビが驚くほどたっぷりで美味い。コメは長粒米である。2回目は鶏の丸ごとロースト、これもジューシーで美味であった。

・バラデロのホテルは基本的にはいわゆる「バイキング」で可もなく不可もない。ちょっとうまいものを食べようと別注でロブスターコースを頼む。出てきたのはローストしたロブスターで長さ30cmはあろうかと言うBIGなもの。これは・・・と思いかぶりつくと全然味付けがなっていない。ただ焼いただけと言う代物。金返せ!と叫びたかった。

・ホテルの朝食はハバナ、サンチアゴデクーバ、バラデロとも、一応コンチネンタル。ハム、チーズ、果物、野菜、パン、コーヒーなどであるが正直そう美味しくない。生野菜がほとんどない。パンは見た目はいろいろあるが、中身はぱさぱさしていてどれも同じようであった。

 

◇飲み物

・ソフトドリンクではジュース類は押しなべておいしかった。オレンジ、マンゴなどgood

・ビールは「CRISTAL」「CUBANERO」の2種類が国産ビールで有名らしい。ピルスナー系で無難な味。「CUBANERO」の方が少し辛口。

・ラム酒、モヒート:やっぱりキューバはラム酒だ。キューバはサトウキビの産地で(砂糖は世界的に値崩れしていてあまり儲からないようだが)それを原料としてまず発酵させ、さらに蒸留し、更にオークの樽に寝かせ3~7年熟成させる。(奄美大島の黒糖焼酎もサトウキビから作るものでよく似ているが、熟成はしない)7年物は琥珀色でやはり美味である。旧市街に「ハバナクラブ博物館」と言うラム酒の博物館があり、製造過程、昔の製造の様子、試飲などもあり面白い。度数は40度以上あるのでもちろんロックもいいが、簡単で美味いのはコーラ割り。甘味と炭酸がラム酒にはよく合うようだ。
 本格的なカクテルでは「モヒート」、これはグラスにミントの葉とライムジュースと砂糖を入れミントの葉をぐっとつぶし、それにラム酒と炭酸水と氷を入れたもの。「ダイキリ」、これはラム酒とライムジュースと砂糖をシェイクしたカクテル。私はモヒートファンになった。モヒートを飲みながらおじさんのラテン音楽を聴くのは最高である。

 

◇音楽、踊り

・レストラン、バー、ホテルなど観光客が集まるところではラテン音楽が演奏される。最初に述べたがハバナで泊まったイングラッテラホテルは24時ころまでホテルの1階のテラスで断続的に演奏をやっていた。

・大体中高年の男性5人編成でマラカスを

振っている人がリーダー、ベースが1人、あとはパーカッション、ギター、サキソホーン等で適宜構成されているようだ。

・演奏が始まると常にではないが客の中から踊り好きが出てくる。カップルで踊る人、シングルで踊る人それぞれだ。上手い、ノリノリである。

老人のマラカス軽ろく夕涼し   京都

・30分ほど演奏すると帽子が回ってくるので、1CUC位チップを入れる。それで30分ほど休憩。また演奏が始まる。

○キャバレートロピカーナのショウ

・ハバナ旧市街地からtaxiで20分ほど行ったところにキャバレートロピカーナがある。22時開演、24時終演である。かぶりつきのS席で1万円弱。ラム酒とコーラ付、まずい豆菓子付。

・座席、舞台は屋外にある。メイン舞台のほかに上に2か所、左右に1か所づつ舞台があり、右上にオーケストラがいる。

音絡み踊り絡みて夏の華    京都

・男女の歌手、ダンサーが途切れることなくラテン音楽と踊りを披露する。

時間のたつのも忘れる。これは是非見る値打ちがある。満員であった。ここだけで随分外貨を稼ぐのだろう。

・南米で日本人観光客がタクシーで強盗に会い殺される事件もあったのでちょっと心配だった。行きのタクシーはホテル前のタクシーを利用、帰りはキャバレーの案内するタクシーに乗ればよいと教えられていたが、行きに乗ったタクシーの運ちゃんが帰りも迎えに来たいと言ったのでそれで問題はなかった。

 

◇交通

○バス・ビスアールバス、ハバナバスツアーバスの前述したのでそれ以外のバスについて述べる

・普通のバス:常に満員、バス停に常にバス待ちの人の群れ

・トラックバス:トラックの荷台を改造して、横長座席を設け、屋根を付けたもので人間を荷物のように輸送しているイメージなので印象は悪いが、普通のバスよりは安い?

○タクシー

・すべて交渉制でメーターは付いていない。行先、利用時間帯などで料金相場がある。ただし、人を見て吹っかける場合もあり。(もちろん庶民は高くて乗る人は少ない。)

・キューバタクシー(正規のタクシー会社はこれ一つらしい)、ただしホテルで客待ちするタクシーはネクタイをし一応服装もしっかりしているレベルからキリは・・・まで

・オールドファッションのアメ車がtaxiとして走っている。旅行ガイド本によれば普通のタクシーよりだいぶ割高とか。

・またキューバタクシーで方面ルート別に乗り合いタクシーをやっているようだ。ただし、旅行者には詳細ルートなどわからないので利用は?

・ココタクシー:オート三輪の上に、樹脂製のボディを付けたもの。見かけはかわいい。料金は通常のタクシーと変わらず。

・トクトク:東南アジアで自転車で屋根付きリヤカー車を引く例のやつ。料金は?

○ヒッチハイク

・郊外に出ると、高速道路上も含めヒッチハイカーが相当多い。たまには止まってくれているようではあるがいつ乗れるともしれない。

○馬車

・田舎に行くと荷物だけでなく乗り物として利用していることも多い。

 

◇通信、放送事情

・携帯は都市部ではほぼ問題なく通じるようだ。ガラケーを持っている人はそこそこいたが、ほんのたまにスマホを持っている人たちもいた。

・インターネットとの接続事情は相当悪いようだ。大きなホテルでもインターネットカフェ的な部屋にパソコンが数台置いてあって、それでネット接続する。聞いた話ではハバナの数軒の大ホテルではロビーで有料のwifiが使えるとかその程度である。

・街には通信を扱っているらしいプレハブの小屋が立っていて人が並んでいる。海外通話とか電報などを扱っているのだろうか?(国内通話は公衆電話があるのでそれを使っているようだ)

・ホテルではTVで衛星放送が受信できCNNをはじめとして30局以上が受信できた。庶民は多分料金の点で見ることはできない人が大多数だろう。

 

◇終わりに

もし仮にと言う話をしても詮無いことだが、同じ社会主義国であるベトナムのようにUSAから離れており、周辺諸国と競い合い、協力しながら生きて行ける環境なら識字率が高いことなどからして相当発展するのではないか。しかし「USAの喉仏に刺さった骨」と言う地政学的な場所は代えるわけにもいかず!フィデルカストロが亡くなってタガが外れてしまわないだろうか。頑張ってとしか言いようがないが今回訪問して少しでもキューバを皆さんに紹介できたこと、少しはお金を落としたことがせめてもの貢献だろうか。

貧しさに負けずキューバの黄金虫    京都



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